【マラソン大会後半失速を防ぐコツ!】なぜトップランナーはゆっくりに見えて、速いのか?

この記事を監修したのは

高山敦史

 パーソナルトレーナー
インフルエンサー

略歴

大手スポーツクラブでパーソナルトレーニングの顧客数3年連続1位。
その後、独立。ランナー専門のパーソナルトレーナーとして活動し、【YouTube】タカヤマラソン チャンネルにてランニングメソッドを配信中。チャンネル登録者数9.78万人(2024年7月8日時点)

資格

JATI認定トレーニング指導者

URL

https://takayamarathon.com/profile/

監修者コメント

高山敦史

今回は「楽に走っているように見えて速い人の特徴」がテーマです。

トップランナーの動きを見て、「ゆっくり走っているな…」と思っていたら、目の前を通り過ぎ、タイムを読み上げられたときに、びっくりした経験。
皆さんもあるのではないでしょうか。

今回は、「なぜ速い人は楽そうに走っているのか」。
これを解説していきます。

今回のテーマを理解し、少しでも実践できれば、間違いなく皆さんのランニングエコノミーは向上していきます。
ぜひ一緒に学んでいきましょう!

「楽そうに走っている」理由は?

今回のテーマの、「楽そうに走っている」、つまり「脱力しているのに速い人」の特徴は、結論から言うと、「重心移動がスムーズか、そうではないか」ということです。

重心移動とは、「身体重心」を「支持基底面」から前にズラすことによって、「自然と身体が前に倒れる」ことです。

そのまま前に倒れるとケガをしてしまうので、身体は防衛本能で自然と足を前に出し、前に倒れる身体を足で支えます。

この自然な動作を繰り返し行うことで、力を最小限に抑えて、前に進むことができます。

身体重心と支持基底面とは?

身体重心とは、お臍の下にあり、支持基底面とは、地面についている身体を支えている面のことを言います。

自然に立っている人の支持基底面は、「足の裏の面」です。
例えば、杖をつくと、支持基底面が広がります。
支持基底面が広がると、身体を支える面が広くなるので、バランスを取りやすくなります。

「ランニング」というスポーツは、片足でジャンプを繰り返すスポーツなので、身体重心は不安定とも言えますね。

この重心移動を上手に行えると、先ほどお伝えしたように、自然と足を前に運びやすくなります。
そして倒れる身体を支え、足で地面を押し返すことによって、身体は弾み、弾みながら重心移動を行えます。

つまり「前に進む動き」を、「自分でキックする」のではなく、「重心移動で行う」ことが、楽に走っているように見える正体なのです。

重心移動をスムーズにするには?

なので、重心移動をする際は、身体重心を常に前に運ぶ意識が重要です。

身体重心は「お臍の下」です。

上の画像は「身体重心」、つまり、「お臍」を前に運べているフォームと、運べていないフォームの比較です。  
左が「身体重心を前に運べているフォーム」で、右は「身体重心が後ろに引けているフォーム」です。

左の「身体重心が前のフォーム」は、上半身が返ってくる足に、乗るような姿勢になっています。
結果、接地の位置も自然と「重心の真下」になります。
重心の真下に設置をすることで、より重心移動がスムーズに行え、減速しません。
また自然と目線も上を向きます。

対する右の「重心が後ろに引けているフォーム」は、上半身が返ってくる足に乗れず、腰が下がって「重心が後ろ」に下がります。
重心が後ろに逃げるので、進行方向に身体が移動しにくくなり、重心移動が上手くいきません。
この状態で、スピードを上げようとすると、無理やり足をキックして、余分に力を使わないとスピードは上がりません。
つまり「力み」に繋がります。
また、目線も落ちてしまう影響で、これによって、さらに重心が後ろに下がり、前に進む動きの邪魔をしてしまいます。

このように、「重心位置を意識したフォーム」はランニングを行う上で、極めて重要なポイントになります。
「力み」をなくすと、マラソン大会後半でも、筋持久力を温存することができるので、失速を防ぐこともできます。

「重心位置を前に」という意識を持ちながら、ランニングフォームの改善に取り組んでみてくださいね!

下の動画では、重心位置をコントロールするためのストレッチやトレーニングを紹介しています。
ぜひ今回のコラムとセットでご覧ください!

監修者コメント

高山敦史

皆さん、いかがだったでしょうか?
僕のYouTubeチャンネルでも解説しておりますので、ぜひご覧ください!

本記事のまとめ

まとめ
  • 最小限の力で走るには「重心移動」が決め手!
  • 「前に進む」には、地面を「自分の力で蹴る」のではなく、「重心移動」で行うこと!
  • 重心移動をスムーズに行うには、「身体重心」つまり「お臍」を前に運ぶこと!

出典

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