【マラソン大会に向けてコンディションup!】時間がうまく取れないときのトレーニング方法

この記事を監修したのは

高山敦史

 パーソナルトレーナー
インフルエンサー

略歴

某大手スポーツクラブでパーソナルトレーニングの顧客数3年連続1位。
その後、独立。ランナー専門のパーソナルトレーナーとして活動し、【YouTube】タカヤマラソン チャンネルにてランニングメソッドを配信中。チャンネル登録者数10万人(2024年9月12日時点)

資格

JATI認定トレーニング指導者

URL

https://takayamarathon.com/profile/

監修者コメント

高山敦史

今回は、「<時短トレーニング>時間がないときはこれをやろう」がテーマです。

さて、皆さまは「時短トレーニング」というものに興味がありますでしょうか。

・練習の時間が上手く取れない
・準備を含めると30分ほどしか走れない
・仕事が繁忙期で、なかなか走れない

こういった悩みは、誰しもが抱えているはずです。
我々市民ランナーは、仕事をフルタイムで行う事や、家事、子育てを両立させながら、練習時間を確保しないといけません。

お仕事の繁忙期や、環境の変化、ライフスタイルの変化によって、時間が取れなくなることがでてきます。

一時的に時間が取れないというときに、「短い時間でいいから、少しだけでもトレーニングをしておきたい」、と思う方は少なくないでしょう。

今回は、「時短トレーニングで行うべきこと」を紹介していきます。

本来、練習というのは「時間をしっかりとって行うこと」がベストです。
しかし、突発的にも急遽時間が取れなくなることもあるかと思います。

そういったときの心構えや、トレーニングメニュー作成の方法を、ぜひ一緒に学んでいきましょう!

時短に最適な中強度走

まず、「時短トレーニング」の概念ですが、「練習の準備や前後時間を合わせて、1時間ほどで終わるメニュー」という風に、定義づけしたとします。

前後の時間を含めて1時間なので、練習にとれる時間というのは、30分前後でしょう。
つまり、「実際の練習時間は30分」と想定します。

結論からいうと、30分前後で終わるお勧めのメニューは「30分の中強度走」です。

中強度走とは

ここで「中強度走」のおさらいをしておきましょう。

中強度走は、「速めのジョギング」という言い方をする方も多い印象です。

中強度走は、非常に「コスパのいいトレーニング」で、定期的な中強度走を行うことで、「マラソンの強化にすごく最適である」と言われています。
僕自身、フルマラソン攻略は、「中強度走にかかっている」と感じています。

以前のコラムでも「中強度走」について紹介していますので、是非ご覧ください。

中強度走の目安強度

中強度走は、「速めのジョギング」で、「翌日に疲労を持ち越さない」ということが定義です。

具体的な数値というのは、あまり決められていないのですが、個人的な感覚でいうと、涼しいときで、「自分の目指すレースペースの30-40秒遅いペース」と考えています。

例えば、サブ3.5を目指す方であれば、レ―スペースは「4分58秒」なので、30秒ほど遅い「5分30秒前後」のペースです。
今のような、残暑が残る暑い時期であれば、強度が上がるので、もう10秒ほど落としてもいいかな、と思います。

心拍数の目安でいうと、「150前後」かな、と思います。
この辺りは感覚値です。
1つの参考にしてみてください。

時短トレーニングに最適な理由

①ウォーミングアップが最低限でいい

合計1時間しか時間がない、というときは、僕はこの「短時間の中強度走」をよく行います。

理由は、まず第一に「ウォーミングアップが最低限でいい」ということ。

30分でも高強度練習はできないことはないです。
例えば、「400m×10本」や、「3000m×2本」などインターバルトレーニングは、一見、できそうなトレーニングです。

しかし、高強度なトレーニングなので、ストレッチを含むウォーミングアップに10分以上使いますし、ダウンジョグを入れないと、疲労を翌日に持ち越してしまいます。
つまり、メイントレーニングが短く終わる種目でも、準備などの時間を含めると、時間が必要です。

そういった観点でみると、時間がないときに、高強度練習は向かない、と考えます。

精神的にも準備が必要ですからね…高強度練習。

そういった目線から見たときに、「中強度走」は、軽く全身をストレッチした後に、最初の1kmは低強度で走りだし、徐々にビルドアップして、気持ちよく終了することができます。
スタート前に「きついことを行う」というストレスもない状態なので、「気軽に取り入れやすい」というのも良いポイントです。

②精神的な満足度が高い

また、やっていただくとわかるのですが、「30-40分ほどの中強度走」は、走っている最中は、そこまで「楽な感覚」はないです。
きつくもないのですが、「しっかりトレーニングになっているな」という感覚を得られるので、30分での満足度も高いわけです。
そのうえ、疲労の蓄積がなく、終わった後の疲労感というのも、爽快な気分です。

この時短トレーニングの良い所は、1つは「精神的な満足度」と言えます。

長い時間をかけてトレーニングを行うと、良いトレーニングができて当然、という所なのですが、短い時間でも満足のいくトレーニングができると、「時間のうまく使えた」という満足度も得られます。
「時間がない中で練習できた」と、自己評価も高くなるという点では、非常に素晴らしいと感じています。

より良いトレーニングになる組み合わせ例

組み合わせとして、中強度走30-40分が終わった後に、「200m×5本」などの「流し」を入れれば、補助的なスピード練習も可能です。

時間が限られている中でも、たとえ「200m×2本」でも、「流し」を入れることによって、神経系に刺激を入れることができるため、この2つのトレーニングの組み合わせは、「非常に良い」といえるでしょう。

時短トレーニングに向かないトレーニング例

①高強度走

逆に、時間がないけど、時短トレーニングとして向かないトレーニングは、先ほどお伝えした「高強度」の練習です。
「400m×10本」や「1000m×5本」は、時間でいうと確かに30分程度で行うことができます。

しかし、ウォームアップの時間や、クールダウンの時間、精神的なマインドセットなど、これらを考えたときに、1時間で終えることは、とても難しいです。

②30分の低強度走

もう一つ向かないトレーニングでいうならば、「30分の低強度走」というのも個人的にはおすすめしないかなと思います。
これに関しては、賛否両論があるかと思いますが…。

トレーニング時間が30分しかなく、「今日は走りたい」「疲労が抜けているから少しでもトレーニングをしたい」といった身体の状態であれば、「30分の中強度走」を入れるのがいいかと思います。

しかし、「疲労がたまっている」状態であれば、無理せずに休むことも大切です。
疲労がたまっている状態なのに、無理をして30分の時間をとって走るのであれば、おとなしく「ランオフ」をした方が、身体にとっても精神面にとっても、良い状態を作ることができるでしょう。

「無理に」30分だけ練習するのであれば、「休む」という練習を選びましょう!

時短トレーニングの意義

最後に、この「時短トレーニング」というのは、あくまで「つなぎの練習」という意味合いが強い、ということを覚えておきましょう。

「つなぎの練習」は、色々な解釈ができますが個人的には、次の大事な練習をするための「準備期間」かなと思います。
あとは「基礎練習」としての意味合いです。

「30分の中強度走」は、あくまで「時間がないとき」の、練習方法です。
毎回30分の中強度走だけでは、基礎的な能力は身につきませんし、筋持久力の強化になりません。

高強度の練習、例えば、今からの時期でいうと「ロングラン」など、こういった大切なトレーニングをしっかりこなすために、「自分のコンディションを上げていくためのトレーニング」、ということを忘れないでおきましょう。

大切な練習に向けて、「コンディションを上げていく」作業なので、疲労がたまっているなら、30分を「トレーニング」に充てるのではなく、「休み」に充てて欲しいです。
身体がフレッシュな状態で、「コンディションを上げていきたいけど時間がない」という方に、今回のような「時短トレーニング」を取り入れることが重要、ということですね。

つまりは「疲れていたら、無理に練習をするのではなく、休んだ方がいいよ」というシンプルなことですね。
疲労を取ることで、コンディションが上向きになるのであれば、「しっかり休み」、身体はフレッシュな状態で、走った方が翌日以降のコンディションが上向きになるのであれば、「走りましょう」という事です。

「30分だけでも走った方が効果的という事ではない」という事を、覚えておきましょう。

そして、自分の身体の状態と向き合うことは、とても大切です。
自分の身体の状態と向き合えなかった体験談を書いておりますので、まだご覧になっていない方は是非ご覧ください。

しかし、つなぐ練習としては、「30-40分の中強度走」は本当にお勧めです。
僕が個人的に行っていたタイミングは、マラソン大会前の、「疲労は抜きたい。でも身体への刺激は入れておきたい。」こんな時にも使っていました。
それなりのスピードで走りますので、身体へ刺激を送れますし、疲労が溜まらないので、マラソン大会前にもお勧めと言えます。

いかがでしょう。
「時短練習」というワードですが、これだけでは効果をたくさん得られる練習ではありません。
しかし、「自分のコンディションを良い状態に持っていく」練習としては、非常にお勧めです。

これからシーズンに向けて、自分の状態を上げていかないといけない機会は増えていきます。

疲労の蓄積なども、見極めながら、身体と相談しながらトレーニング計画を立てていくようにしましょう!

監修者コメント

高山敦史

皆さん、いかがだったでしょうか?
僕のYouTubeチャンネルでも解説しておりますので、ぜひご覧ください!

https://youtu.be/BAiFGuqn0IY

本記事のまとめ

まとめ
  • 時短トレーニングには「30分の中強度走」がお勧め!
  • 中強度走は「自分の目指すレースペースの30-40秒遅いペース」が目安強度!
    暑い時期はさらに10秒ほど落とすこと!
  • 「30分の中強度走」は気軽に行え、トレーニング満足度も高い!
    中強度走の後に「流し」を入れるとトレーニング効果がアップ!
  • 「高強度走」や「30分の低強度走」は時短トレーニングとしてNG!
  • 身体が疲れている時は「しっかり休む」こともトレーニングの1つ!
  • 「時短トレーニング」は、あくまで、コンディションを上げるための「つなぎの練習」である!

出典

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