【マラソン大会に必須!ランニングエコノミ―向上法】ランニング中の理想の前傾角度とは?

この記事を監修したのは

高山敦史

 パーソナルトレーナー
インフルエンサー

略歴

某大手スポーツクラブでパーソナルトレーニングの顧客数3年連続1位。
その後、独立。ランナー専門のパーソナルトレーナーとして活動し、【YouTube】タカヤマラソン チャンネルにてランニングメソッドを配信中。チャンネル登録者数9.86万人(2024年7月30日時点)

資格

JATI認定トレーニング指導者

URL

https://takayamarathon.com/profile/

監修者コメント

高山敦史

今回は「ランニング中の理想の前傾角度」について解説をしていきます。

「ランニング中は前傾姿勢を維持すると良い」というセリフを聞いたことがあると思います。

しかし、前傾といっても「大きく前に傾く」ことも前傾ですし、「少し傾くこと」も前傾と言えます。

一体、「理想的な前傾角度」はどれくらいか?
気になりますよね。

今回は、「前傾姿勢」についてく詳しく解説をしていきます。
正しいランニングフォームを会得できるよう、ぜひ一緒に学んでいきましょう!

なぜ「前傾姿勢」なのか?

まず、そもそもなぜ「前傾姿勢」をとるのか?

それは、身体が前に傾いている方が、「体重移動」や「重心移動」をやりやすいからです。

例えば、一本の棒を上から落とすときに、地面に向かって垂直に落とすと、地面に着いた瞬間、棒は「真上に」バウンドをします。
しかし、棒を少し前に傾けて落とすと、棒は「前方に」向かってバウンドをします。

身体もこの仕組みと一緒で、身体を前に倒した方が、前に弾み、推進力が大きくなります。

「ランニング」は、片足で弾みながら前に進んでいくスポーツなので、直立の姿勢で走るよりも、「前傾姿勢をとる方が良い」と言えるでしょう。

理想の前傾確度は?

では、前傾は大きければ大きいほどいいのか?
これの答えは「NO!」です。

先ほどの「棒を上から落とす」例えですが、上から落とすときに少し前に傾けるくらいなら、前方にうまくバウンドをします。
しかし、欲を出して、大きく前に倒し過ぎると、弾むことはできず、そのまま棒は倒れてしまうでしょう。

「過度な前傾姿勢」というのは、姿勢を崩して身体を支えることができず、地面反力を上手く受け取ることができないのです。

まっすぐ立つ直立の姿勢や、重心が後ろに傾くことは良くないが、過度な前傾姿勢というのも、推進力に変わらず、姿勢を崩してしまうので、良くないでしょう。

では、「理想の前傾角度」はどのくらいかと言うと、せいぜい「5度」くらい倒れることができれば十分、と言われています。

「5度」といっても、ピンと来ないかたもいらっしゃるかもしれませんが、ようは「ほんの少し」という意識でいいです。

前傾姿勢をとるポイント

前傾姿勢をとる際の、簡単なポイントは3つあります。
1つずつ解説していきます。

ポイント①:足首の柔軟性を確保する

ポイントの1つ目は「足首の柔軟性を確保する」です。

前傾姿勢というと、「骨盤を前に傾ける」と思いがちですが、脛が前に倒れないと、うまく前傾姿勢をとることができません。
脛を前に倒すには、「足首の柔軟性」、つまりふくらはぎや膝裏、ハムストリングの柔軟性が非常に重要です。

前傾姿勢をとるためにも、下半身背面部のストレッチをしっかり行いましょう。

ポイント②:骨盤周辺の筋肉をほぐす

2つ目のポイントは「骨盤周辺の筋肉をほぐす」です。

「骨盤の前傾」は、前傾ポジションの確保するうえで非常に重要です。

しかし、あくまで「骨盤というのは5度くらいしか前に倒れない」ということを覚えておきましょう。
ここでたくさん倒し過ぎると、「反り腰」に繋がります。

骨盤を前に倒すには、腸腰筋の筋力や臀部の柔軟性はとても大切です。
「鍛えて筋力強化する」というより、骨盤回りの筋肉を活性化させるために、「ストレッチで柔軟性を上げ」、骨盤が動きやすい状態を作ることが、非常に大切です。

もちろん、「臀部や腸腰筋を鍛える」ことも、非常に重要ですが、まずは、動きやすくなるように、しっかりとほぐすようにしましょう。

ポイント③:重心を引き上げる

3つ目のポイントは「重心を引き上げる」です。

重心が低くなると、腰が落ちてしまい、そもそも「前傾姿勢」をとりにくくなります。

腰が反ってしまったり、踵が浮くような過度な重心の引き上げは不要ですが、「身体重心(おへその少し下)」を上に引き上げる意識は非常に重要です。

次のことを意識してみましょう。
・「かかとで地面を押す」 → 地面を押す意識を強めます
・「お腹に力をいれる」 → 反り腰防止になります

この状態で「背骨を上に引っ張る」イメージをとると、正しく重心を引き上げた状態で、身体を前に倒すことができます。

いかがでしょう。
「正しい前傾姿勢」の会得は、少し難しく感じるかもしれませんが、会得できると、間違いなくランニングエコノミーを向上させることができます。

夏の暑い時期は、トレーニングが億劫になりますが、こんな時だからこそ、フォーム改善に着目して、怪我をしない、楽に進める正しいランニングフォームをつくっていきましょう!

「改善のためのおすすめエクササイズ」も併せて紹介していますので、ぜひこちらの動画もご覧ください!

監修者コメント

高山敦史

皆さん、いかがだったでしょうか?
僕のYouTubeチャンネルでも解説しておりますので、ぜひご覧ください!

本記事のまとめ

まとめ
  • 「前傾姿勢」で走ると、「体重移動」や「重心移動」をしやすい!
  • 理想の前傾角度は「5度」!ほんの少しの前傾でOK!
  • 前傾姿勢をとるポイント
    ①下半身背面部のストレッチをしっかり行い「足首を柔軟」にしよう!
    ②ストレッチで骨盤周りを柔軟にし、「骨盤が動きやすい状態」を作ろう!
    ③かかとで地面を押し、お腹に力をいれた状態で、「背骨を上に引っ張る」意識を常に持とう!

出典

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