【暑い夏のコンディション維持に必見!】酷暑のランニング時の注意点

この記事を監修したのは

高山敦史

 パーソナルトレーナー
インフルエンサー

略歴

某大手スポーツクラブでパーソナルトレーニングの顧客数3年連続1位。
その後、独立。ランナー専門のパーソナルトレーナーとして活動し、【YouTube】タカヤマラソン チャンネルにてランニングメソッドを配信中。チャンネル登録者数9.92万人(2024年8月20日時点)

資格

JATI認定トレーニング指導者

URL

https://takayamarathon.com/profile/

監修者コメント

高山敦史

今回は、「酷暑のランニング」についてお話していきます。

さて、「暑い、暑い」と言っていますが、本当にシャレにならないくらい暑いです。
命の危険を感じるくらいですね。

僕ももちろん走っておりますが、昨年と比較しても、暑さのレベルが一段階違う…。
そんな印象です。

今の時期は、「設定を落として距離を走る」という練習方法を勧めていますが、その強度でもきつく感じる方は多いかと思います。

今回は、「猛暑日」、「酷暑日」のランニングについて解説をしていきます。

皆さまに記録を更新して欲しいですが、「体調を崩して欲しくない」というのが一番の願いです。
この暑い日々をみんなで乗り切るためにも、ぜひ一緒に学んでいきましょう!

夏の暑さについて

まず、「夏の暑さ」についてお話します。

気温別で見る夏の定義ですが、
・25℃以上は「夏日」
・30℃以上は「真夏日」
・35℃以上は「猛暑日」
・40℃以上は「酷暑日」
という風に定義づけられています。

現在は「夏日」ではなく、ほぼ連日、日中は35℃を超えていますので、「猛暑日」が続いていると言えます。

人間は、体温よりも高い気温になると、熱中症のリスクが一層高まり、命の危険も出てきます。
現在の気温が、いかに過酷で、ランナーにとって厳しい環境かは、皆さまが感じている通りです。

まず皆さまに知ってほしいのは、「気温が35℃を超えて、体温よりも気温が高い状態で、トレーニングをする」事は、「かなりリスクがある状態」という事です。

また、天気予報の気温と実際に感じる気温に差がある事もよく話題に上がります。

地熱の反射や、地点の違い、都会や建物が周りに多い場所は熱がこもりやすいなど、様々理由があります。
特に、日差しがきつくなってくると、実際の気温よりも、暑く感じますし、湿度が高いと、暑く感じなくても熱が抜けにくく、走るとかなり暑いと感じることも多いです。

最近は、朝でも30℃を超えていることも多く、地熱や日差しのことを考えると、午前9時でも35℃以上の環境になっている場合があると言ってもいいでしょう。
先日、車の外気温計の温度は40℃を超えておりました…。

SNSなどで上がってくるトレーニングや、週末に僕がよく走っている大阪城にいくと、9時でも多くのランナーの方がトレーニングに励んでいます。
「すごいなあ…」と感心する一方で非常に怖さを感じます。
熱中症のリスクが高い環境なので、「皆さまが倒れないように」と思っています。

僕は、朝は7時までに走り終えるようにしております。
それでも、暑さでバテてしまう事も多々ありますので、8時以降に走っているランナーの皆さま、本当に注意してくださいね。

夏の暑い中のトレーニングで大事なこと

当然、暑いと「心拍数」も上昇しやすくなります。

発汗により体内の水分量が減ることで、血液の粘性が高くなり、全身に血液を供給させるために心拍数を上げます。
また、気温が上がると、交感神経が優位に働きやすく、心拍数の上昇に繋がります。

トレーニング中の心拍数も、これに伴い上昇しやすくなりますので、気温が上昇すれば上昇するほど、トレーニング環境は過酷なものになる、と考えてください。

一説には、「気温が20℃を超えると、気温が1℃上がるごとに心拍数が1bpm上昇する」と言われています。
「気温20℃で心拍数130bpmの運動」は、「気温35℃では心拍数145bpmの運動」になる、ということです。

もちろん個人差がある話ですし、「暑さへの慣れの度合い」も関係はするでしょうが、「気温が上がると心拍数が上がる」ことは事実でしょう。

つまり、運動強度の設定、「気温35℃の時」のトレーニングの設定タイムは、「気温20℃の時」に比べると、最低でも10%ほど強度を落として、ようやく「同程度」の運動という事になります。

「高強度の設定が上手くこなせない」
「ジョギングだけでも疲れてしまう」

気温が上がるにつれて、こういった意見をたくさん聞くようになりますが、当然かと思います。
むしろ、「涼しい時と同じ設定」で行う事は、強度が高すぎてしまい、生命の危機さえも感じてしまうくらい「キツイ」です。

「発汗量が多くなる」という事は、汗をかくことでもエネルギーを使いますので、「エネルギーの消耗も激しくなる」と思ってください。

こういった理由から、今年の夏、8月はより一層注意をしてトレーニングを行わないといけません。
ウルトラマラソンや北海道マラソンに参加される方は除いて、8月はまだまだマラソン大会のシーズンからは時間があります。

なので、この時期重視するは「基礎能力の強化」です。
レ―スペースに近い「ロング走」や、ハーフマラソンの設定で行う「テンポ走」は、個人的にはこのタイミングで「不必要」と言えます。

皆さまは、
「夏の練習で自信を無くす」
「いつものペースがこなせない」
「走るとすぐに疲れてしまう」
と感じているかもしれません。

そうなっても心配はいりません。
「できることを、こつこつ行う」事が、今の時期に大切であると覚えておきましょう。

夏の練習環境は確かに「過酷」です。
しかし、過酷な時期にしっかり練習ができ、乗り越えることができたなら、涼しくなったときの練習が非常に「楽」に感じます。

そして、きつい夏のトレーニングを乗り切った時には「自信」に変わり、それがレースへの「粘り」に繋がります。
精神面ではありますが、「忍耐力」を鍛えるのもこの時期の特徴といえるでしょう。

先ほどもお伝えしましたが、「できることをこつこつ行う事が非常に重要」である事を最優先に考えていきましょう!

夏の暑い時期にやるべきこと

ここからは、今の時期に具体的に行ってほしいことを、解説していきます。

①練習強度について

まず、日々のトレーニングですが、先ほどもお伝えしましたが、「最低でも強度を10%下げる」ようにします。
「最低」でも10%です。

また、「体感の強度」を大切にしましょう。

低強度走でも、「いつもより30秒遅いのに、しんどいな」と思うかもしれませんが、心拍数の増加や、発汗量が増えることにより、心拍が指数関数的に上がる「ドリフト現象」などで、トレーニングがきつく感じるのは当然です。

夏は「追い込む」ではなく「やり切れる」強度で、トレーニングを行いましょう。
低強度・中強度・高強度全て同様です。

②練習をする時間帯について

トレーニングの設定以外にも、「日の出ていない時間帯」に走るのが、特に8月は理想です。

大阪で8月の日の出時間は5時~5時30分です。
日の入り時間は8月前半で19時前後、8月後半は18時30分前後です。

日の出前に走るのが理想的ですが、個人的には朝は7時までに走り終える方がいいでしょう。
夜は18時以降であれば、比較的日差しも落ち着いています。

あくまで僕の感覚値です。
僕は暑さに強い方だと思いますが、「暑さが苦手だ…」という方は、30分から1時間ずらす方がいいかと思います。

この走る時間帯は、先ほどもお伝えしましたが、日が出ていると、途端に「キツさ」が上がります。

地面の照り返しや、地熱などで、一気に気温が上がるからですね。
つまり、「日が差してくると、熱中症のリスクも跳ね上がる」と思っておきましょう。

できれば、朝は7時までにはトレーニングは終わっておいて欲しいものです。

③走る服装について

そして、「走る服装」にも注意です。

袖がある服よりも、ノースリーブの方がいいですし、それよりもシングレット、肩甲骨がでている服の方が、熱は籠りません。

僕はやったことはありませんが、上半身裸で走ると、かなり暑さはマシのようです。
女性は絶対できませんが…。

生地も通気性が良く、黒いウェアを避ける方がいいでしょう。

難しいのは日焼け対策ですが、特に女性の方は、日が沈んでから、通気性の良いウェアで走ることをお勧めします。

走る時間帯を見極めて、ウェアやキャップなどを駆使すれば、暑さはかなりマシになるでしょう。
トレーニングの設定だけではなく、こういったところもノータッチの方は見直してくださいね。

特に袖が「ある」「なし」では、本当に変わります。
細かいところにも気を配りましょう。

④コンディショニングについて

最後に「コンディショニング」についてお話します。

エネルギーの消耗が激しく、疲労も取れにくい時期です。

特に、8月に疲労を貯め過ぎてしまうと、9月からの特異トレーニングが上手く積めません。
また疲労がたまると、免疫力は低下し、ケガや病気のリスクも上がってしまいます。

心身ともに疲労をためやすい8月こそ、コンディショニングと向き合いましょう。

例えば、睡眠の質の向上のために、
・寝る30分前にスマホを触らない
・冷房を活用して、室温を調整する
・香りや照明を使って、よりリラックスしやすい環境をつくる
・ぬるま湯につかって、入眠の1時間前には入浴を終了させる
・寝つきが悪い人は、眠る前に静的ストレッチを行う
・呼吸を意識することで、睡眠の質があがる

など、眠りの質を上げるためにも、こういった取り組みも行ってみてくださいね。

⑤食事について

また、我々の身体は「食べたもの」で作られますので、「食事」には気を遣いましょう。

「どんなものを食べればいいか?」と考える前に、まずは食事をしっかり摂ります。

夏場は水分摂取量が多く、水分が胃の中に残っていることが多いため、「お腹がなかなかすかない」ということも非常に多いです。
栄養不足に陥りやすいので、「疲労が回復しない」という側面もあります。

ハードなトレーニング後は、必ず「食事をしっかり摂取」しましょう。

夜にトレーニングをする方は、トレーニングが終わってから食べると、就寝まで時間がないので、「食べずに眠る」という方もいらっしゃいますが、そういった場合は、トレーニング前に「軽食」を食べて、トレーニング後は、「プロテイン」と「おにぎり」など、簡単にでもいいから摂取をするのがいいです。

重ね重ねですが、「何を食べる?」の前に「しっかり食べる」
ここを意識しましょう。

炭水化物

「そば」や「うどん」、「お米」は走る量が多いランナーには「必須」です。

タンパク質

それだけではなく、筋肉の材料の「タンパク質」も大切ですね。

お肉をお勧めしますが、「できるだけヘルシーなものがいい」という方は、マグロやカツオなどの「赤身の魚」をおすすめします。
タンパク質も豊富に入っており、貧血の予防にも非常に良いです。

ランナーは貧血と常に隣り合わせです。
こういった視点からも、「赤身のお肉」や「赤身のお魚」は積極的に摂取しましょう。

食事からの摂取が難しい場合のみ、サプリメントに頼りましょう。
僕もハードなトレーニング後は、プロテインを必ず摂取しています。

野菜

そして、「夏野菜」を摂取することで、夏に不足しがちな栄養素を摂取できます。
身体から、熱を取り除いてくれる、この時期のランナーにぴったりです!

「夏野菜」は、きゅうり、なす、トマト、ピーマン、おくら、とうもろこし、ニラ、カボチャやズッキーニなどがあります。

夏の食事は、夏野菜と赤身のお肉や魚をたくさん使って、乗り切っていきましょう!

いかがでしょう。
まだまだ暑い時期は続きますし、厳しいトレーニング環境は続きます。
しかし、ここを乗り越えることで、絶対に自信に繋がります。

心が折れないように、僕も頑張ります!
みんなで乗り切りましょう!

監修者コメント

高山敦史

皆さん、いかがだったでしょうか?
僕のYouTubeチャンネルでも解説しておりますので、ぜひご覧ください!

https://www.youtube.com/watch?v=7kx0HG_exVU

本記事のまとめ

まとめ
  • 気温が35℃を超えた「暑い」環境でのトレーニングは、かなりリスクが高い!
  • 「暑い」時期は、基礎能力の強化を重視し、「できる」事をコツコツ行おう!
  • 「暑い」時期は
    ①強度を、最低でも10%下げ、「やり切れる」強度でトレーニングを行うこと!
    ②トレーニングは、日の出ていない時間帯に行うこと!
    ③できるだけ面積が小さく、通気性が良い、黒以外のカラーの服装で走るのがおススメ!
    ④睡眠の質を上げる取り組みを行うなど、疲労を溜めこまない!
    ⑤食事は、炭水化物、タンパク質、夏野菜をしっかり食べること!

出典

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