【ハーフマラソン&フルマラソン必勝法!】両方で結果を出すトレーニング法とは

この記事を監修したのは

高山敦史

 パーソナルトレーナー
インフルエンサー

略歴

某大手スポーツクラブでパーソナルトレーニングの顧客数3年連続1位。
その後、独立。ランナー専門のパーソナルトレーナーとして活動し、【YouTube】タカヤマラソン チャンネルにてランニングメソッドを配信中。チャンネル登録者数9.94万人(2024年8月27日時点)

資格

JATI認定トレーニング指導者

URL

https://takayamarathon.com/profile/

監修者コメント

高山敦史

今回は「ハーフマラソンとフルマラソンの違いについて」がテーマです。

さあ、皆さま、9月からはプレシーズンで、色々なレースに参加される方も多いのではないでしょうか。
今年のマラソン大会のレースは、もうそこまできております。

「ハーフマラソンでもフルマラソンでも結果を出していきたい」という方は多いでしょう。

今回は、「ハーフマラソン」と「フルマラソン」のトレーニングの違いについて解説していきます。

シーズンに入る前に、2つの違いをしっかり把握しておくことによって、レースへの取り組みも変わってきます。

ぜひ一緒に学んでいきましょう!

長距離走に必要な強化項目

「フルマラソン」と「ハーフマラソン」の違いですが、実は厳密には大きな違いはありません。

基本的に、「改善していく能力」は一緒だからです。

ただし、そんな2つも違うところがあり、それを理解していくのが今回のポイントになります。

2つに共通する強化項目

「ハーフマラソン」も「フルマラソン」も、共通して強化していくポイントは同じになります。

<共通する強化項目>
・代謝機能の向上
・心肺機能の強化
・筋持久力の改善
・LT値の改善
・VO2MAXの強化
・ランニングエコノミーの改善

長距離の能力の強化をしていくには、こういったところの強化が基本になります。

これは「ハーフマラソン」や「フルマラソン」だけではなく、5000m走や10000m走でも共通項目であり、これらの能力を高めていくことが、長距離走全般の能力強化に繋がります。

共通強化ポイントとトレーニング法

じゃあ、「ハーフマラソン」も「フルマラソン」も、「トレーニングの内容は、まったく一緒でいいのか?」という答えには、ある程度、同じで構わないが、やはり最終的に、各種目の特異的な部分がありますので、まったく全て一緒というわけにはいきません。

「共通する部分」は、「代謝関係の改善」
ここが一番のポイントです。

長距離走で行われているエネルギー代謝は、「有機的代謝」と言い、酸素を使ってエネルギーを産み出していく代謝になります。
代謝速度は遅いですが、より多くのエネルギーを産み出せるのが、「有機的代謝」の特徴です。

長距離走の基本は、「低強度の運動を、長時間繰り返し行う」ことです。

800m走や1500m走は、スプリントの能力、つまり、代謝速度が速い「無機的代謝」の能力の割合は増えますが、それでもこの2種目でも「有機的代謝」が重要と言われています。

5000m走のような、後半に苦しくて仕方がないレースでも、基本的には有機的代謝がほとんどの割合を占めていますので、ハーフマラソンやマラソンというのは、「有機的代謝が99%を占めている」と言ってもいいのかな?、と思います。
パリオリンピックの女子マラソンのように、42km走った後のスプリント勝負になるなら話は別ですが(笑)

「有機的代謝を高める」というのが、ハーフマラソンやマラソン、もっと言えば、800m走より長い競技全てに共通する項目でしょう。

「有機的代謝」を強化するトレーニング法

有機的代謝を強化するために重要なのは、「低-中強度走」です。
つまりは、レースペースよりも離れすぎないジョギングですね。

低-中強度走を行うことによって、「酸素を使ってエネルギーを産み出す能力」が向上していきます。

今の時期のような、夏の暑い時期は、長い距離の中強度走をいれるのは、非常にきついですし、強度が高すぎます。
なので、「夏は、低強度走を行っておく」ことが、持久力の基礎を身に着けることができ、ハーフマラソンやフルマラソンに再現性を持たすことができます。

各強化ポイントとトレーニング法

しかし、ハーフマラソンとフルマラソンのトレーニングが全く一緒かというと、そうではありません。
特にフルマラソンのタイムを伸ばしていくためには、「ハーフマラソンの持久力」と、プラスで「筋持久力」のトレーニングが必須になります。

これは、距離が増えると、当然ながら、確実に課題になるところですし、特に、フルマラソンを走る上では非常に大切な強化項目です。

例えば、フルマラソンを主戦場にしている方であれば、ハーフマラソンの距離というのは、頻繁に走っているかと思います。15km走や20km走というのは、毎週とは言いませんが、1か月に2回や3回ほど、毎週走っているという方も少なくないでしょう。

なので、フルマラソンを走っている人で、「ハーフマラソンで足が売り切れた」という声はそこまで聞きません。
フルマラソンの課題は「最後まで心肺がもつか」という所ではないかと思います。

ということは、「ハーフマラソンの記録を伸ばしたい」のであれば、普段から15kmや20kmを定期的に走っている方において、記録向上のために必要なことは、「レースペースあたりのトレーニングをどれだけできるか?」というところがポイントであると思います。

ハーフマラソンのトレーニング法

ハーフマラソンの適正なペースは、「閾値付近」と言われています。
閾値は「VDOTの指標」では「Tペース」といわれ、「フルマラソンのレースペースの5%ほど速いペース」辺りが妥当かと思います。

「VDOTの指標」が気になる方は、「VDOT」のアプリで調べてみましょう。
ネットで調べればすぐにヒットします。

つまりは、フルマラソンのレースペースよりも速いペースの「ペース走」や「テンポ走」、「1000m以上のインターバル走」を定期的に行うことによって、ハーフマラソンのタイムは向上していくと言えるでしょう。

日々の「高強度の練習」、そして、「15-20km前後の中強度走」を積み重ねることによって、ハーフマラソンに必要な筋持久力はつけられます。

フルマラソンのトレーニング法

強化ポイント

フルマラソンに関しても、基本的な考え方は一緒です。

市民ランナーの方で多いのは、「後半30km以降」に、ガタガタと崩れるように失速をしてしまうパターンです。

これに関しては、「筋持久力不足」が一番の原因でしょう。

特に、「ハーフマラソンのタイムは速いのに、フルマラソンになるとタイムが出ない」「後半に必ず失速する」方は、明らかに「筋持久力不足」です。

特に男性の方にこういった傾向は多い傾向です。

理由は、男性は筋力があり、スピードでごまかせるので、ハーフマラソンまでは、筋持久力のトレーニングがそこそこでも、ごまかせるのです。
しかし、フルマラソンになると、筋持久力の「ごまかし」がきかなくなります。

フルマラソンのトレーニングで必要なことは、「ハーフマラソンと同じ強化項目」+「フルマラソンに特化した筋持久力」のトレーニングです。

トレーニング法

では、「フルマラソンに対する筋持久力の強化」は、どうすれば良いか。

これはやはり、「ロングランの回数を重ねる」ことが、非常に重要です。
大切なことは、1回ではなく、ロングランも「積み重ねる」ことが大切です。

25kmから30km以上の「ロングランの回数」をいかに積み重ねていけるか?
筋持久力をつけていくには、「回数」が非常に重要という事を覚えておきましょう。

個人的に思うのは、「35km以上のロングラン」を行えるといいですね。
トラブルが起こるのは、30km以上走った後なので…

ペースに関して言えば、例えば、ロングランを始めたばかりの方は、ペースは遅くても構いません。
それこそ、LSDのような、ゆっくりとしたロングランでもいいのですが、レースが近づいてくると、「速度」の重要性は増してきます。

理想は、「レースペース-30秒前後」の強度で「25km以上のロングラン」を行うことが、フルマラソンの特異的なトレーニングと言えます。

LSDは、基礎練としては否定しませんが、「特異的トレーニング」ではないということですね。

強度について

ところで、ペースについて、「ペースが速くてもいいのか?」という質問が出るかと思います。
例えば、「レースペースと同等」、もしくは、「レ―スペースよりも速い」距離走ですが、効果がないわけではありませんが、「疲労がたまり過ぎること」や、精神的に「チャレンジするのが嫌なこと」を考えれば、そこまで重要度が高いわけではありません。

なので、よく言う「レースペースで30km」というトレーニングは、「疲労はたまるけど、効果は薄いトレーニング」と言えます。

個人的には「コスパの悪いトレーニングかな」と思っています。

まとめると、「導入」として、LSDからはじめるのはOK。
レースが近づくにつれて、「25km以上の距離を、レ―スペースより30秒ほど遅いペースで走る」ことを「繰り返し」行うことがいいでしょう。

強度設定として、「距離を増やしたらペースを上げない」、「ペースを上げたら、距離は据え置き」というように行いましょう。
「ロングラン」は強度が上がるので、慎重に「距離」や「スピード」を調整していくように、心がけてください。

いかがでしょう。
やはりフルマラソンを走るには、「ロングラン」が重要です。
また、練習量も大切な目安になります。

ただ、がむしゃらに走るのではなく、自分の走るレースや距離に対して、「どこの部分が足りていないか」、ここを把握しましょう。
シーズンが近づいてくると、「特異的なトレーニング」の重要度が大きくなりますので、今回の内容は、深く覚えておいてくださいね。

監修者コメント

高山敦史

皆さん、いかがだったでしょうか?
僕のYouTubeチャンネルでも解説しておりますので、ぜひご覧ください!

https://youtu.be/FRyJWyiCCA

本記事のまとめ

まとめ
  • 「ハーフマラソン」も「フルマラソン」も強化ポイントは同じ。基本項目を強化しよう!
  • 特に強化が必要なポイント:「有機的代謝」向上には「低-中強度走」を行おう!
  • ハーフマラソントレーニング法:①②を定期的に行うこと!
    ①「フルマラソンのレースペースの5%」ほど速いペースの高強度練習
    ②15-20km前後の中強度走
  • フルマラソンは「ハーフマラソンと同じ項目」の強化にプラスして「筋持久力」が必要!
  • フルマラソントレーニング法:
    「レ―スペースより30秒ほど遅いペース」で「25km以上」走ることを定期的に行うこと!
    35km以上のロングランもおススメ!

出典

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