秋のマラソン大会に繋がる!4月から5000mを強化すべき理由

この記事を監修したのは

高山敦史

 パーソナルトレーナー
インフルエンサー

略歴

某大手スポーツクラブでパーソナルトレーニングの顧客数3年連続1位。
その後、独立。ランナー専門のパーソナルトレーナーとして活動し、【YouTube】タカヤマラソン チャンネルにてランニングメソッドを配信中。チャンネル登録者数9.42万人(2024年3月25日時点)

資格

JATI認定トレーニング指導者

URL

https://takayamarathon.com/profile/

監修者コメント

高山敦史

今回は「マラソンで5000mが重要な理由」がテーマです。

さて、皆さまは5000mは走りますでしょうか?

「練習で走る」という方も多いと思いますし、「タイムトライアルをする」という方も多いでしょう。

4月になると、マラソン大会自体は落ち着いていき、大部分の方はオフシーズンに入ります。

ただ、YouTubeなんかで「4月からはトラックシーズン」という意見を見たことも少なくないはず。

そう、春以降は「距離の短いトラックシーズン」の幕開けです。

そして、このトラックシーズンというのはフルマラソン強化をする上で、非常に重要です。

特に5000mを強化することで、秋以降のフルマラソンのパフォーマンスは大きく向上するでしょう。

今回は、その「5000mの重要性」をお話ししていきたいと思います!

マラソンを速く走るためには?

なぜ「5000mが重要か」の前に大切なことをお話しします。

まず、「マラソンを強化」する大切なポイントは無数にあります。
「これを強化すれば大丈夫!」というものはないです。

総走行距離を伸ばすだけではだめですし、高強度のポイント練習だけやってもダメです。

練習が上手く積み上げられていても、疲労の回復などが上手くいかなければ、パフォーマンスは上がりません。
また、心理的にストレスを感じていると、パフォーマンスは上がらなくなります。

①身体の強化
②リカバリー
③心理面

この3つを「バランスよく強化していく」ことが、記録を伸ばしていくためには必要です。
何度も言うように、「この1つの面だけを高めていけばいい」というものではありません。

「日々の練習」が重要な理由

「日々の練習」は、やはり重要であり、この「日々の練習」を強化することで得られるものは非常に多いです。

①身体の強化

まず、日々の練習では、身体が強化されます。

身体面を強化していくことで、皆さんの「基礎的な走る能力」が強化されていきます。
つまり、VO2MAXや筋持久力が強化され、LT値が改善されていきます。

走技術も改善されていきますので、ランニングに必要なパフォーマンスを改善していけるのが、この日々の練習による身体強化です。

②リカバリー

そして、リカバリーの面でも日々の練習は重要です。

走行距離を増やすことによって、リカバリーの速度、つまり身体の回復速度が向上します。

総走行距離が多い人は、毛細血管が発達しており、また、ランニングに対して慣れているので、ダメージが少ない傾向にあります。

なので、リカバリーの面でも日々の練習というのは大切です。

③心理面

また心理面でいうと、日々の練習をこなしていくと、自信になります

自信がつくことによってマラソン大会前の緊張や不安な気持ちに対して立ち向かうことができます。
僕自身も練習がしっかりできているとマラソン大会での緊張はなくなり、リラックスした状態でマラソン大会に挑むことができます。

このように、「日々の練習」は3つの項目にすべての強化につながり、やはり、速くなるためには「日々の練習」が一番大切だということに繋がります。

「速くなりたい人はつべこべ言わず走れ!」

みたいな理論になってしまいますね(笑)

5000mが重要な理由

長い前置きになりしたが、ここから「なぜ5000mが重要か?」をお話ししていきます。

理由①:VO2MAXの強化

結論から言うと、「5000mの強化」というのは、そのまま「VO2MAXの強化」に繋がります。

VO2MAXとは「最大酸素摂取量」を意味します。

どういう項目か、わかりやすく言うと、「運動中にどれだけ酸素を取り込むことができて、どれだけ消費できるのか」という項目です。
「1分間にどれだけ酸素を取り込めて、その酸素を使ってどれだけのエネルギーを産み出せているかいるか?」という数値になります。

最近ではランニングウォッチでも確認できますが、実際の測定は特殊な機器が必要です。
なので、ランニングウォッチの数値はでたらめとは言いませんが、1つの簡易な目安「VO2MAX予想」くらいに思っておきましょう。

とはいえ、この数値が上がると嬉しいですよね(笑)

この数値が高くなると、「筋肉に酸素を運搬できる量」が純粋に増えます。
体を動かすのには酸素が必要ですから、「酸素が運搬される量が増える」ということは、「身体をより長く動かすことができる」ということです。

これは長距離やマラソンには必須な能力と言えるでしょう。

この数値を伸ばすための指標が、「5000mのタイムを伸ばしていくこと」に繋がります。

まずVO2MAXというのは先ほども言いましたが、最大酸素摂取量を言います。
エネルギーが一番生み出せる最大値という見方もできます。

そして、この数値を強化できるのが、「3000m~10000mをレースぺースで走ること」とされています。

こういったことから、3000m~10000mの記録を高めていくことで、皆さんのVO2MAXが強化されます。
それはすなわち、エネルギーを産み出せる量が上がり、長距離走全般、マラソンやハーフマラソンの強化に繋がってくるということです。

理由②:スピード持久力の強化

また、マラソンやハーフマラソンと比べて、3000~10000mはスピードが速いレースになりますよね。
それはすなわち、スピードに対する余裕も生まれてきます。

そして、3000mや5000mはフルマラソンに比べると距離や時間は短いですが、10分から20分以上走り続けます。
「スピード持久力の強化」にもつながる、ということも覚えておきましょう。

理由③:疲労蓄積の度合い

秋と冬のマラソン大会を主戦場にされている方は、4月以降、マラソン大会というのはほとんどありません。
あるとしても、気温が高い時期なので、記録を狙える時期ではありません。

ハーフマラソンのレースはフルマラソンに比べて、この時期でもそれなりに開催されていますが、同様に高温なので、そこまで記録は狙えないです。

またフルマラソンもハーフマラソンも、1回走ると疲労の蓄積があります。

練習再開までにも時間はかかりますので、「練習感覚でお気軽に」というものでもないですね。
マラソン大会に出るのにも準備が必要です。

その点、3000mや5000mであれば、疲労の蓄積はそこまでありませんし、レース時間が短いので、フルマラソンやハーフマラソンほど記録の影響はありません。
それでも7月、8月は相当きついレースですが…

こういった背景から、春の時期からは、3000mや5000mのレースや記録を高めていくことに注力を注ぐことで、VO2MAXやスピード持久力の強化に繋がり、それが秋以降のフルマラソンの強化に繋がっていくことになります。

題名は5000mと書きましたが、3000mや10000mの強化でも問題はありません。
個人的に思うことは、3000mは短く、10000mは長いかな、と思いましたので、僕自身が推奨するのは5000mということですね。
この辺りは個人差があるかなと思っております。

「この4月からは何を強化していけばいいかわからない」と思っている方は、5000mのトラックレースやロードの5kmのレースに積極的に参加をしていくことで、大切な能力を強化していくことができます。

4月以降、ぜひともトラックレースにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
僕も今年は積極的にレースに参加していく予定ですので、一緒に頑張りましょう!

5000mを強化する練習内容

最後に5000mを強化していく練習内容をお話しします。

基本的には「インターバル走」や「ペース走」、「ジョグ」などを組み合わせていくメニュー、つまりフルマラソンを強化するときと同じメニューを使います。

5000mだからといって、「短すぎる距離」を走ったりはしませんし、「ジョギングは不要」というわけではありません。

なので、皆さんもしっかりと、この時期でもジョギングを行うようにしていきましょう。

さあ、ここからの時期、楽しいトラックシーズン!
頑張っていきましょうね!

監修者コメント

高山敦史

皆さん、いかがだったでしょうか?
僕のYouTubeチャンネルでも解説しておりますので、ぜひご覧ください!

本記事のまとめ

まとめ
  • マラソンを速く走るためには ①身体の強化 ②リカバリー ③心理面 をバランス良く強化する「日々の練習」が大切
  • 春の時期は、①VO2MAX ②スピード持久力 の強化に繋がり、③疲労の蓄積も少ないので、5000mがおススメ
  • 5000mの練習内容は、フルマラソンと同じ、「インターバル走」「ペース走」「ジョグ」などを組み合わせたメニューで行うこと

出典

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