【ランニング練習】マラソン大会のためのインターバル走

この記事を監修したのは

高山敦史

 パーソナルトレーナー
インフルエンサー

略歴

某大手スポーツクラブでパーソナルトレーニングの顧客数3年連続1位。
その後、独立。ランナー専門のパーソナルトレーナーとして活動し、【YouTube】タカヤマラソン チャンネルにてランニングメソッドを配信中。チャンネル登録者数8.78万人(2023年11月21日時点)

資格

JATI認定トレーニング指導者

URL

https://takayamarathon.com/profile/

監修者コメント

高山敦史

今回は「持久力を向上させるインターバル走」がテーマです。

マラソンシーズンが本格化して、ロング走などの練習を強化する人が増えてきましたね。これから迎えるマラソン大会本番に向けて、スピード持久力を強化していきたいところです。

今回は、そんなマラソンに必須なスピード持久力を強化するためのインターバル走について説明いたします。これからの時期には必ずやってほしいトレーニングです。

そして、このインターバル走は、がっつり追い込まない、非常に取り組みやすいトレーニングになります。

追い込まないインターバル走でマラソンに強くなる。
今の時期の練習ではとても大切なことです。
ぜひ一緒に学んでいきましょう!

インターバル走について

まずは、インターバル走の概要です。

<インターバル走>
●内容:「速く走る(疾走)」と「休憩(レスト)」を繰り返すトレーニング
●目的:「VO2MAX向上」や「スピードアップ」が期待できる

VO2MAXとは最大酸素摂取量のことです。
つまり「身体にどれだけ酸素を取り込めるか」という基準です。
酸素を取り込めるほど、体を動かし続けることができます。

わかりやすく言うと、インターバル走は「心肺機能の向上に適している」ということです。

マラソン大会のためのインターバル走のポイント

皆さんの99%が、インターバル走を、マラソンのレ―スペースよりも速く走るのではないでしょうか?
「マラソンを基準にしたインターバル走」という位置づけで有れば、スピードアップの側面も非常に大きいでしょう。

では、今からの時期、インターバル走でスピードは必要か?

答えは、ある程度までのスピードをクリアできれば、スピードよりも距離や本数を重要視するべきでしょう。

例えば、1000m×5本のインターバル走をされている方がいるとします。
最後の1本をがむしゃらに出し切って、そしてクリアしたら設定をあげる、というトレーニングをしているのをよく見かけます。
このトレーニングの目的が、筋力強化や、単純なスピードアップであれば、目的を十分に果たしていると思います。
しかし、「マラソン大会のためのインターバル走」となると、話は少し変わってきます。

単純にスピードだけを伸ばしても、フルマラソンで上手く走ることは難しいです。

統計を取ったわけではないですが、フルマラソン時に出すスピードは、目標設定タイムの「-10秒」です。
どれだけ早くても「-15秒」くらいかと思います。

何が言いたいかというと、「かけ離れたペースでトレーニング」をしたり、「目標設定をクリアしたらすぐにペースを上げる」だけでは、いけないという事ですね。

「長く走り続ける」というマラソンの特性を考えた時に、「速く走る事」に重きを置き過ぎてもいけない、という事です。

4月から8月頃までは、基礎的なスピードの強化にもなりますので、スピードの出るインターバルも必要ですが、マラソントレーニングに必要なのは、「長い距離を走り続けるペース走」であったり、本来のペースよりも少し遅くても構わないので、「本数を増やしたり、レストを短くしたインターバル走」になります。

こういったトレーニングの重要性が増してくるのです。
スピードを上げるのが悪いのではなく、時期の問題ですね。

インターバル走の注意ポイント

ここで注意が必要なのは、練習のボリュームです。
つまり、距離や速度を速めすぎると強度が上がりますので、怪我のリスクも増えてしまいます

インターバル走の推奨距離は、週間走行距離の10%、若しくは10kmまでと言われています。

例えば、週50kmの人は5kmまで、週120kmの人でも10kmまで、という事ですね。
一つの参考目安にしてください。

つまり、週50kmの人がインターバル走で6km以上走るとなると、少し設定を落とす必要があります。
この方が、設定を上げて、なおかつ本数も増やすことは「強度が高すぎる」と言えます。
なので、この方の場合、5km以上インターバルで走りたいのであれば、設定を5秒ほど落とす必要があるという事です。

夏の間にしっかりとトレーニングができて、今の時期はマラソン用の身体を仕上げていきたい。
そういった方は、インターバル走でもスピードにこだわり過ぎず、本数や走行距離を今までより増やして、距離を走るインターバル走に取り組んでみましょう。

夏に体調を崩し、思うようにトレーニングができなかった方や、インターバル走をこれから取り組む方は、まずは上限の距離内で基本的なインターバル走を行うようにしてくださいね。
1か月たった辺りから、距離や本数を徐々にコントロールできればいいでしょう。

オススメのトレーニングメニュー

ここからは具体的な方法です。

例えば、サブ4を目指す方のインターバル走のメニューが、
●1000m×5本のインターバル
●設定ペース:5分20秒/km  レスト90秒

だったとします。

これを基準に強度を調整していきます。

強度の調整方法は、この3つです。
1. 距離を伸ばす
2. 本数を増やす
3. レストを短くする

オススメのメニューを3つ紹介します。

① 400m×10-15本 レストはジョグ200m

個人的には一番取り組みやすいメニューです。
10本をすべてジョグでつないでも走行距離は6kmですので、距離も長くなりにくいです。
1本1本の距離が短いので、心理的にも楽に感じます。

ジョグでつなぐことによって、運動をとぎれさせないメニューです。
ジョグつなぎがきつい場合は、その場で60秒ジョグします。

先ほどのサブ4を目指す方が取り組む場合、距離が短いので設定を1000mの場合より10秒ほど、つまり1km当たり5分10秒で走るのがいいでしょう。

② 1000m×6-8本

王道のインターバルの本数を増やす方法です。
1000m×5本をクリア出来たら、スピードではなく本数を増やしていきます。

距離が長くなるので、週間走行距離が少ない人は、ペースを5秒ほど落として強度調整を行います。
レストは90秒が慣れてきたら、200mのジョギングでつなぎましょう。

③ 2000m×3-4本 + 3000m×2-3本 

ロングインターバルです。
疾走距離が長くなるので、本来のインターバル走のペースより 5~10秒/kmほど遅くても良いです。

レストは2-3分です。
可能であれば、500mジョグをしてください。
「タイムを速く」ではなく、速いぺースで「動き続けること」が最大の目的です。
長い距離を走り続けることで、マラソンに必要なスピード持久力が強化されます。

いかがでしょうか。
インターバルといってもこれだけやり方があります。
追い込み過ぎないインターバルは、心理的にも取り組みやすく、また効果も望めます。
これからレースを控えている方や年明けのレースに向けてトレーニングを始める方は、ぜひとも参考にしてくださいね。

ベストが出せるように日々練習を積み重ねていきましょう!

監修者コメント

高山敦史

皆さん、いかがだったでしょうか?
僕のYouTubeチャンネルでも解説しておりますので、ぜひご覧ください!

本記事のまとめ

まとめ
  • マラソン大会のためのインターバル走は「距離」や「本数」が重要。
  • その際、練習ボリュームが大きくならないように調整すること。
  • インターバル走の強度は ①距離を伸ばす ②本数を増やす ③レストを短くする で調整する。

出典

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