「ランナーに必須」は間違い?プロテインが重要な理由

この記事を監修したのは

高山敦史

 パーソナルトレーナー
インフルエンサー

略歴

某大手スポーツクラブでパーソナルトレーニングの顧客数3年連続1位。
その後、独立。ランナー専門のパーソナルトレーナーとして活動し、【YouTube】タカヤマラソン チャンネルにてランニングメソッドを配信中。チャンネル登録者数9.13万人(2024年2月1日時点)

資格

JATI認定トレーニング指導者

URL

https://takayamarathon.com/profile/

監修者コメント

高山敦史

今回はランナーのプロテイン摂取について解説していきます。

ランニングをしている方で疑問に思うランキング上位。
「ランナーにプロテインは必要ですか?」

非常に多くいただく質問です。

ボディビルダーやダイエットをする方には、もはや必須のアイテムになったプロテインですが、「ランナーは必要なのか?」といった疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。

これに対して僕の回答は、「人による」になります。

「そんなザクっとした意見!」と思った方もいるでしょう。
大丈夫です。

今回は「プロテインの概要と摂取方法」をテーマに解説をしていきます。

プロテインとは?

まず、そもそもプロテインとは、日本語で「たんぱく質」という意味です。
あの粉は、特殊なものではなく、ただのタンパク質を粉状にしたものです。

ちなみにプロテインの語源は、古代ギリシャの言葉でプロテイオスと言い、「第一のもの」や「最も重要なもの」としての意味を持つ言葉です。

つまり「プロテイン・タンパク質は栄養素の中で最も大切な栄養素ですよ」という意味合いです。

そのプロテイン、つまりタンパク質はどれくらい重要なのでしょうか。

実は人間の体の構成成分をザックリ分けると、
●水分:60%
●タンパク質:20%
●体脂肪などその他:20%
このようになります。

資料によってバラつきがありますし、体脂肪率によっても変わりますが、大体この比率の前後になります。
ほとんどが水と脂質、タンパク質でできていますね。

その証拠に筋肉はもちろん、髪の毛や爪・骨や皮膚や血液もタンパク質でできています。
ちなみに、内臓は筋肉の一種なので、これももちろん、たんぱく質でできています。

つまり、体のたんぱく質が不足すると、体に色々な問題や障害が出てくるのです。

例えば、
●爪や皮膚がボロボロになる
●内臓が上手く働かない
●髪の毛がバシバシになる
などなどですね。

なので、運動だけではなく、美容や健康のためにも、タンパク質は生きていく上で必須という事です。

そして、運動やランニングをする方だけでなく、ウエイトトレーニングやその他の競技をする方は、一般の方に比べて体を激しく使う機会が多いです。

ということは、それだけ、筋肉や内臓にも負荷がかかります。

なので、それらの方は、筋肉や内臓にベストパフォーマンスを出してもらうために、そして激しく使った後、素早く回復をするために、筋肉の材料であるタンパク質を、一般の方よりも必要とします。

これが、アスリートがプロテインを摂取する理由です。

ランナーのプロテイン摂取量の目安は?

では、タンパク質はどれくらい摂取することが目安とされているのか、をお話しします。

1日に必要な摂取量は、
●運動しない方:体重×1g
●健康のために、軽く運動をしている方:体重×1.2g
●持久力系の運動をしている方:体重×1.5g
●がっつり筋肉をつけたい方:体重×2g以上

諸説はありますが、これくらいが、よく言われている目安量になります。
例えば、運動しない方で体重が60kgであれば、1日に必要なたんぱく質は60gになります。

この動画を見ている方は、健康のためにランニングをしている方、もしくは、マラソンに取り組んでいる方が多いと思います。
なので、普通の方よりも多くタンパク質を摂取する必要があります。

ここで本題。
プロテインが必要かどうかは「人による」というのは、普段の食生活のなかで、ちゃんとたんぱく質の摂取量が足りている方であれば、特に摂る必要はないです。

必要な量をとってさらにプロテインを摂取しても、プロテインにだってカロリーはあります。
つまりは太ります。

またタンパク質の過剰摂取で、腸内環境が悪くなる事もあります。
プロテインを飲み過ぎると「おならが臭くなった」とよく聞きますが、あれは吸収されていないタンパク質が、腸内の悪玉菌を増やしてしまい、腸内環境が悪くなっているからです。

なので、必要量を摂れている方が、さらにプロテインを摂取する必要はないでしょう。
必要かどうかは「人による」というのはこういった理由です。

プロテインはあくまでサプリメント。
サプリメントは栄養補助食品とも言われており、普段の食事で摂取しきれていない栄養素を補うものになります。

なので、「プロテインを飲んでおけばいい」ではなく、普段の食事からタンパク質必要量を意識し、できるだけバランスよく摂取するようにして、足りない部分をサプリメント、つまりプロテインで補うようにします。

まずは普段の食事からたんぱく質を摂取することを心がけましょう。
間食をするなら、プロテインやたんぱく質の多いものを摂るのが望ましいです。

ただ、運動をしている人は一般の方よりも多くタンパク質が必要なので、タンパク質の摂取量が足りていない、という方も多いです。

例えば、体重60kgの方がマラソンをしている場合、必要なタンパク質は約100gです。
普段の食事からの摂取量が足りない方も少なくないので、そういった理由からプロテインを積極的に活用するのは「〇」です。

プロテインを飲むタイミングは?

最後に飲むタイミングについてお話しします。

プロテインを摂取するなら、「運動後30分以内がゴールデンタイム」と言われています。

これは間違いありません。

運動後は、筋肉を素早く回復させようと、実は栄養が筋肉に届きやすい状態になっています。
これが、よく言うゴールデンタイムです。

そしてもう1つ、筋肉に栄養が届きやすいタイミングがあります。

それは「就寝中」です。

就寝中は成長ホルモンが出ており、このおかげで筋肉が成長したり、回復したりします。

運動後や寝る前にプロテインやアミノ酸のサプリを飲むと回復が早くなる、また、筋肉がつきやすくなる、というのはこういった理由からです。

ただし、ここでも注意して欲しいのは、「運動後だけ」プロテインを取って、後の食事でタンパク質を全く摂取しないのはダメです。

大切なのは1日の必要な摂取量です。

3食全てうどんを食べて、運動後や、寝る前だけプロテインを飲んでも1日の必要量は確保できません。

これでは本末転倒になります。
プロテインを飲んで満足してしまう典型的なパターンです。

先ほども記述いたしましたが、普段の生活からたんぱく質を意識的に摂取し、激しい練習後に回復を促したり、筋肉を成長させるためにプロテインを摂取する。
そうすることで日常の摂取量も確保しながら、回復を促すことができます。

あくまでプロテインは「補助」という考えを必ず持っておきましょう。

ここまで聞いて頂いた方、プロテインとの付き合い方が分かったのではないでしょうか?

体をハードに使うランナーだからこそ、栄養の観点に目を向けるのは非常に重要です。
プロテインも、「飲んでおけば大丈夫」ではなく、「足りていない栄養素を補助してくれるもの」として、活用するようにしましょう。

監修者コメント

高山敦史

皆さん、いかがだったでしょうか?
僕のYouTubeチャンネルでも解説しておりますので、ぜひご覧ください!

本記事のまとめ

まとめ
  • プロテインの成分たんぱく質は、パフォーマンスや回復に必要な栄養素
  • タンパク質は普段の食事から摂取することを心がけ、必要量に足りない場合は積極的にプロテインを活用しよう
  • プロテインを摂取するタイミングは「運動後」や「就寝前」が効果的
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