【怪我をしないランニング練習】正しい30km走(距離走)

この記事を監修したのは

高山敦史

 パーソナルトレーナー
インフルエンサー

略歴

某大手スポーツクラブでパーソナルトレーニングの顧客数3年連続1位。
その後、独立。ランナー専門のパーソナルトレーナーとして活動し、【YouTube】タカヤマラソン チャンネルにてランニングメソッドを配信中。チャンネル登録者数8.93万人(2023年12月20日時点)

資格

JATI認定トレーニング指導者

URL

https://takayamarathon.com/profile/

監修者コメント

高山敦史

今回は「正しい30km走の取り組み方」がテーマです。

「距離走」「ロング走」「30km走」と聞くと、億劫な気持ちになりますよね。

隠しておりましたが、僕は距離走が苦手です。
距離走よりもインターバルの方が好きです。

ただ、そう思っているのは僕だけではないはずです。

今回はそんな「距離走への正しい向き合い方」を学んでいきます。

苦手だからこそ、正しく学んでいく必要があります。
後半は無理なく距離走に取り組めるトレーニングを解説します。
距離走が苦手な皆さん、ぜひ一緒に学んでいきましょう!

距離走とは

まず、距離走(ロング走)というのは、なぜ苦手でやりたくないのか。

人によって、距離走というのは様々です。

「15km以上が距離走だ!」という方もいるでしょうし、「30kmからが距離走」という方もいるでしょう。
なかには「50kmくらい走らないと距離走とは言えない」、なーんていう猛者もいらっしゃいます。

この違いは何なのか。
これは普段ベースにしている距離よりも長く走ろうとしたときに、「心理的ストレスが大きくなる距離」が、その人にとっての距離走です。

例えば、普段5kmしか走らない人が15km走ると立派な距離走になりますし、毎日20km以上走る人にとっては30kmはそこまで負担がない距離になります。

距離走で大切なこと

「普段よりも長く遠く」走ることを「距離走」、と僕は言っています。

一見、当たり前の内容ですが、このことを知っておくことは非常に重要で、自分のパフォーマンス向上や、怪我の発症率に繋がります。

ランナーにとって一番避けないといけないものは何か?

それは怪我です。

トレーニングの効果を最大化させるために必要なことは、正しい練習を「継続する」ことです。
大切なことなのでもう一度、正しい練習を「継続する」ことです。

1回のきつい練習よりも、そこそこの練習を継続することで、自分の実力はどんどん上がっていきます。

きっつい練習は、あくまでスパイスです。
スパイスは、たまに行うから刺激があっていいのです。

大切なことは日々の練習の積み重ねです

それが、怪我をしてしまうと、日々の積み上げができなくなります。
「今日は仕事で忙しかったから走れなかった」じゃないのです。
「強制的にノーラン」になるのです。

走りたくても走れません。
走力の低下はもちろん、走れないストレスで、メンタル的にもきつくなります。
これはランナーにとって絶対避けたいことです

正しい練習をするためには

前置きが長くなりましたが、この怪我をしてしまう原因というのが、
① 間違った走り方や不良姿勢
② オーバーワーク

です。

間違った走り方や不良姿勢についてですが、例えば、腰が丸まったままだと腰痛になるように、間違った姿勢で走ると怪我をしてしまいます。

本日のメインテーマではないので割愛しますが、これも非常に重要なポイントです。
今度、別の機会でコラムにしますね。

そして、オーバーワーク、つまり「練習のやりすぎ」は疲労の蓄積に繋がり、身体の組織の回復が追いつかず、怪我に繋がります。

ところで、オーバーワークの基準は人によって違いますよね。

1週間に100km以上走る人であれば、1回の30km走は、オーバーワークにはなりません。
しかし、1週間に30kmや40kmしか走っていない人が、30km走を毎週取り入れてしまうと、間違いなくオーバーワークになり、怪我に繋がってしまいます。

つまり、「レース前だから30km走をやらないと」と思い、自分の走行距離のキャパシティを超えると、間違いなく怪我をしてしまい、長期間、離脱してしまいます。

大切なことは、自分がどれくらい距離耐性があるのかを知っておくことでしょう。

この距離耐性を把握しておくことで、自分にあった適切な距離を走ることができます。
無理な30km走や40km走をいきなり行うのではなく、少しずつ距離耐性を伸ばしていきましょう。

距離耐性の高め方

ではここからは、距離耐性を高める方法をお話しします。

距離走の上限距離

まずは、距離走の上限距離についてお話しします。

上限距離は週間走行距離の30%以内にとどめておきましょう。

例えば、
●週間50kmの人なら15km
●週間60kmの人なら18km
●週間70kmの人なら21km
です。

一般的に、1回の走行距離の30%を超えると、オーバーワークになります。
なので、自分の週間走行距離を把握しておくことは非常に大切です。

30km走は「特別トレーニング」

しかし、これを守りすぎてしまうと「30km走なんてできない」ということに気づくはずです。

なんてたって30km走を取り入れようと思ったら、週間100kmまでいかなきゃいけませんからね。

これは、「距離走」と「マラソン大会に向けた30km走」というように、分けて考えましょう。
つまり我々市民ランナーにとって、30km走というのはマラソン大会に向けた「特異トレーニング」です。

週間走行距離の上限一杯の距離走は、脚づくりのための「基礎トレーニング」。
そして、30km走などの上限距離を超えるようなトレーニングはマラソン大会のための「応用トレーニング」になります。

つまり「特別課題」になりますね。
普段のトレーニングとは違った位置づけになります。

上限を1回でも上回ったら絶対に怪我をする、というわけではありません。
週間50kmの人が16km走った翌日怪我をするわけではありませんよね?
あくまで確率の話で、怪我をするリスクが上がる、ということです。

上限を超えないトレーニングをしていると、「疲労の蓄積」が抑えられます。
疲労の蓄積を抑えることができると、怪我の発症率をぐっと抑えることができます。

基本的には週間走行距離の上限を超える距離トレーニングは控えるようにしましょう。

そしてマラソン大会対策の「特別トレーニング」として、25km走や30km走、35km走を行いましょう。

先ほども言ったように「特別トレーニング」なので、毎週行うのではなく、3週間や1か月に1回の頻度で行います。
上限を超えるトレーニングなので、疲労は抜いて挑むようにしましょう。

30km走を行うまで

いきなり30km走を行うのではなく、できるだけ徐々に距離を増やします。

例えば、週間走行距離が50kmの人であれば、
●1回目→20km
●2回目→25km
●3回目→30kmLSD
●4回目→30kmジョグ
●5回目→レ―スペースに近づけた30km走
●6回目→レ―スペースに近づけた3時間走
というような形で伸ばします。

誤解しないで欲しいのが、これは1つのやり方で、距離の増やし方やペースの上げ方は、ある程度自由にしてくださいね。

ただし、急激に距離を増やしたり、いきなりレ―スペースに近い30km走をすると、怪我のリスクが一気に上がりますので、気をつけてください。

また、レ―スペースが6分を超える、つまり4時間15分以上の方は、3時間走よりも30km走の方が、走る時間が長くなります。
3時間を超える練習は体にかかる負荷も相当ですし、またマラソン大会前まで疲れを引きずってしまう可能性も非常に高くなります。

なので距離走の時間の上限は「3時間」とした方が、身体にかかる負荷や疲労は軽減できます。

なかには4時間走や5時間走というトレーニングをされる方もいらっしゃいます。
レース時間以上に長く走る経験をすることで、「レースに対して心理的なストレスをなくす」という効果はあります。
ただし、完遂できれば自信になりますが、負荷が高すぎる上に怪我のリスクもあります。

同様に40km走や50km走も負荷がとても高いです。

もしこのような超ロング走を行う場合は、
●それまでのトレーニングが順調に積めているか
●30km走や35km走を何度も完遂できているか
●疲労は溜まっていないか
●痛みや違和感の部位はないか

といったところを確認しておくようにしましょう。

距離耐性を高める方法まとめ

まとめると、
① 距離走は週間走行距離の30%まで
② 上限を超える応用トレーニングは、疲労を抜いた状態で行う
③ いきなり30km走をするのではなく、徐々に距離を伸ばしていく

を守って進めていきましょう。

マラソン大会が近づいてくると焦る気持ちもありますが、焦りは禁物です。
基礎のトレーニングを確実に積み上げていくことが非常に重要です。

正しく距離走を重ねて、レースに強い足を作っていきましょう!

監修者コメント

高山敦史

皆さん、いかがだったでしょうか?
僕のYouTubeチャンネルでも解説しておりますので、ぜひご覧ください!

本記事のまとめ

まとめ
  • 距離走は「心理的ストレスが大きくなる距離」
  • 正しい練習を「継続する」ことが大切
  • 正しい練習をするには自分がどれくらい距離耐性があるのか知りましょう
  • 距離耐性を高める方法
    ① 距離走は週間走行距離の30%まで
    ② 上限を超える応用トレーニングは、疲労を抜いた状態で行う
    ③ 徐々に距離を伸ばしていく

出典

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