ランナー必見!理想的な練習サイクルについて

この記事を監修したのは

高山敦史

 パーソナルトレーナー
インフルエンサー

略歴

某大手スポーツクラブでパーソナルトレーニングの顧客数3年連続1位。
その後、独立。ランナー専門のパーソナルトレーナーとして活動し、【YouTube】タカヤマラソン チャンネルにてランニングメソッドを配信中。チャンネル登録者数8.56万人(2023年10月25日時点)

資格

JATI認定トレーニング指導者

URL

https://takayamarathon.com/profile/

監修者コメント

高山敦史

本日は、理想的な練習の頻度についてお話しします。
月間走行距離についてはランナー内でよく話すことかと思います。
でも、それと同じくらい「週何回走る?」という質問をよく受けます。
このように練習頻度を気にされている方は多いのではないでしょうか?
多ければ良いという訳でもなさそうですし、少なすぎてもダメな気がすると考える人は多いでしょう。
そこで、今回は適切な練習頻度についてお話ししていきます。
実は練習頻度というのは、疲労回復やパフォーマンスを上げる観点で、非常に大切なことになります。
本日は、ここをしっかり押さえていきましょう!

適切な練習頻度

早速、適切な練習頻度についてお話します。
個人差があるということは大前提にして、結論から言うと、週に5-7回が理想でしょう。

ここで大切なのが、練習の内容です。
練習の内容は大きく3つに分けることができます。
①ポイント練習
②つなぎ練習
③ロングラン

この3つについて詳しくお話ししたいと思います。

3つの練習内容

①ポイント練習

ポイント練習は心拍機能向上や、スピードの向上を目的とした高強度のトレーニングです。
こちらを1週間のサイクルの中のメインにしている方も非常に多いですし、このポイント練習を中心にメニューを考えている方も多いでしょう。
インターバル走やペース走、レペティション走などがポイント練習にあたります。

僕も実際にポイント練習の日を1週間で固定させています。

②つなぎ練習

つなぎ練習はポイント練習とポイント練習の間に行う練習の事
「練習と練習をつなぐ」という意味でつなぎの練習といわれたりします。
日々のジョギングやリカバリーのためのジョグなんかはこのつなぎ練習といわれます。

③ロングラン

ロングランはその名前の通り、長い距離を走る練習のことです。
この「長い距離」というのは明確な定義はありませんが、マラソンを主戦場にしている方なら、時期にもよりますが20キロ以上をロングランという方は多いでしょう。

シーズンオフは15キロでも長いかもしれませんし、レース2か月前には20キロでも短いという人もいます。
要は、いつも走っている距離よりも長く走ることがロングランといえるでしょう。

多くの方は、練習を大まかにこの3つに分類しているのではないでしょうか?
この3つのトレーニングを上手く組み合わせることが重要です。
その結果、多くの方が週5-7回のトレーニングになるのではないかと思います。

3つのトレーニングの組み込み方

3つのトレーニングをどう組み込んでいくかが、重要なポイントです。
ここではどのように組み込めばいいのかを紹介します。

①ポイント練習の頻度

ポイントなだけに、まずは練習の核となるのがポイント練習です。
高強度のトレーニングの頻度は、多くて週2回が理想かと思います。

「高強度の練習は多ければ多い方がいい」と思いがちですが、強度が高いため、疲労が残りやすいです。
疲労が残った状態でのポイント練習は、上手くこなせない可能性が高くなります。

ポイント練習が上手くこなせないと、身体に対する刺激も弱くなり走力向上に繋がりにくくなるでしょう。
かといって「翌日にやり直せるか?」と考えても疲れは残っているし、気持ちもついていきません。

なのでポイント練習は「回数が多ければいい」というわけではなく、2回のポイント練習を「確実にクリアする」。
そのために日々のメニューで調整していく、というのが正しいでしょう。

世界のマラソンランナーをみても、キプチョゲ選手のポイント練習は週1回のファルトレクとトラックでのインターバルです。
大迫傑選手は週2回のポイント練習をしています。
このように週2回の高強度の練習が主流といえます。

ただし、例外ももちろん存在するわけで、世界陸上でも大活躍した中長距離選手であるヤコブ・インゲブリクセン選手は午前と午後含め、週に6回のポイント練習を入れています。
ただ、すべてのポイント練習で追い込んでいるかというとそうではなく、高強度の当たるポイント練習の日もあれば、中強度までのポイント練習もあるようです。
これも日々の体調によってペースは変えていくようです。
どうやら「常に限界まで」というメニューではなく、「自分の体調によってできることを変えていく」というようにかなり柔軟なメニュー構成にしているのではと思います。

話は戻して、ポイント練習は2回が理想ですが、「体が慣れていない」「現在ジョグしかしていない」という方は、いきなり高強度のトレーニングで走ると故障のリスクが一気に上がります。

なのでそういった方は、まずは週に1回のポイント練習から始めましょう
それだけでも、練習の強度が一気に上がります。
そして1回のポイント練習に体が慣れてきたと感じたタイミングで、もう1回増やすのがベストですね。怪我や故障の原因の多くはオーバーワークです。

そしてオーバーワークの基準というのは人によって違います。
普段週に20キロの人が週に50キロ走るとオーバーワークですし、普段から週に100キロ走っている人なら100キロはオーバーワークではなく通常強度です。

ですので、ポイント練習をやったことがない人は、週に1回だけでも体にとてつもない効果をもたらしてくれるでしょう。
まずは「1回やってみる」からのチャレンジです!

②つなぎ練習の意義

次につなぎ練習についてお話しします。
つなぎ練習はポイント練習とポイント練習をつなげるための練習といわれています。
ポイント練習は強度が高いので「週に2回」が理想です。
でも週に2回の練習量だと走行距離が不足します。

走行距離が増えることのメリットは、まずは、毛細血管が増えることによる疲労回復力の向上があげられます。
そして筋や関節の強化によるけがの防止というメリットももたらされます。

ポイント練習だけだと、走行距離が足りません。
つまり疲労が回復しにくく、怪我をしやすい体になります。

つなぎ練習は、ポイント練習の間に強度が高くない練習をつないで入れることで、走行距離を伸ばし、疲労回復の促進やけがの防止のためのトレーニングをするという事です。

つなぎ練習は地味で、一見効果を感じられないものです。
しかし、地味なつなぎ練習こそトレーニングの基礎の部分を養っているといえます。

③ロングランの頻度

そして最後にロングランについてお話しします。
ロングランは基本は週に1回が理想です。
ロングランは1回の練習強度がとても高いです。

練習の強度は「設定のタイム×運動時間」で決まります。
ロング走は練習の設定は緩やかかもしれませんが、練習時間は長いですよね。
疲労の感じ方も、インターバル走やペース走のそれとはまた違う、脚の筋力を絞り出すようなキツさ。
個人的には苦手です。
ゆえに、人によってはポイント練習以上の強度といっても間違いないでしょう。

また、ロング走は練習時間が多くとられます。
市民ランナーの我々は時間を確保することも課題の一つです。
多くの方が、平日に働いて土日にお休み、というスケジュールを立てていると思います。
ライフスタイルのバランスをみても、時間に余裕のある週末にロング走を1本、という方が多いのではないでしょうか?

なのでロング走は基本的には「週に1回」の頻度で行うのがメインになります。

④3つのトレーニングの組み合わせ例

これらをもとに1週間のメニューを決めるとこのようになります。

月曜日 オフ(30分リカバリージョグ)
火曜日 つなぎ練習(60分ジョグなど)
水曜日 ポイント練習(スピード系。インターバルなど)
木曜日 オフ(30分リカバリージョグ)
金曜日 つなぎ練習(60分ジョグ)
土曜日 ポイント練習(スピード持久系。ペース走など)
日曜日 ロングラン

いかがでしょうか。
あくまでもメニューの参考の一つとしてくださいね。
適切に走行距離や走行日数を増やすことによって、怪我をしない体を作ることができます。
ただし、疲れて疲労が困憊な中で無理やり走ると、それはそれで怪我に繋がります。

自分の身体の状態をしっかり確認しつつ、「走れる時は走る」「疲れや違和感がある時は休脚する」。
臨機応変に対応して、シーズンに向けて、怪我無くパフォーマンスを上げていけるようにしましょう!

監修者コメント

高山敦史

皆さん、いかがだったでしょうか?
僕のYouTubeチャンネルでも解説しておりますので、ぜひご覧ください!

本記事のまとめ

まとめ
  • 練習頻度は週5~7回が理想
  • 練習はポイント練習とつなぎ練習とロングランを組み合わせる
  • ①週に2回ポイント練習 ②ポイント練習の間につなぎ練習 ③週に1回ロングラン を基本として身体の状態に合わせて組み合わせる

出典

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