【マラソン大会に記録を残したいなら必見!】5000mを強化するためのメニュー作成

この記事を監修したのは

高山敦史

 パーソナルトレーナー
インフルエンサー

略歴

某大手スポーツクラブでパーソナルトレーニングの顧客数3年連続1位。
その後、独立。ランナー専門のパーソナルトレーナーとして活動し、【YouTube】タカヤマラソン チャンネルにてランニングメソッドを配信中。チャンネル登録者数9.49万人(2024年4月15日時点)

資格

JATI認定トレーニング指導者

URL

https://takayamarathon.com/profile/

監修者コメント

高山敦史

今回は「5000mの記録を向上させるメニュー」がテーマです。

さて、今回は「5000m」がテーマです。
先日のコラムに続いて「5000mの強化」のためのコラムです。

今回は、「5000mを伸ばしていくための練習方法」をテーマにお話をしていきます。

5000mのタイムを伸ばすことは、フルマラソンのタイムを伸ばすことに繋がります。

皆さんのトレーニングの、バリエーションを増やすためにも、非常に重要な項目です。
ぜひ一緒に学んでいきましょう!

「5000m」を強化するのは何故?

まず、5000mを強化していくべき理由を簡単にまとめると、
・フルマラソンのレ―スペースに余裕が出る
・VO2MAXの強化ができる
・スピード持久力の強化ができる
になります。

こちらのコラムを合わせて見ていただければ、より理解が深まると思います。

5000mに限らず、その競技の記録を伸ばしていくことで大切なことは、「種目の特性」を知ることです。

フルマラソンを主戦場にしている方が、よく言うのは、「5000mってスピード重視の種目ですよね」や「5000mの練習って、そこまで距離を走らなくてもいいですよね」という意見です。

一見、間違いないように見えますが、とんでもない!

まず「スピード重視」という点に関しては、確かにそういった観点で見ることもできますが、実際はそうではありません。

1500mが速い方が5000mのスピードは速くなりますが、「5000m」の種目の本質は「スピード持久力」、つまりマラソンと一緒なんですね。

「5000m」はマラソンと一緒!?

エネルギーを生み出す仕組み

少し詳しく説明すると、人間がエネルギーを生み出す仕組みは2種類、「無機的代謝」と「有機的代謝」です。

すごく簡単にいうと、「無機的代謝」は短距離走、「有機的代謝」は長距離走と思ってください。

無機的代謝

無機的代謝の「トレーニング」や「短距離レース」は、乳酸が溜まりやすく、乳酸が血中に蓄積すると、身体の動きは悪くなりパフォーマンスは落ちます。

「乳酸は悪ではない」という意見があり、確かに、乳酸の「一部」はエネルギーとして再利用できますが、血中の乳酸濃度が上がると、パフォーマンスは間違いなく低下します。

しかし、一方では、無機的代謝は「強い力が出せる」という特徴があります。

有機的代謝

対する有機的代謝は、強い力は出ません。

しかしながら、酸素を使ってエネルギーを産み出す上に、乳酸などの疲労物質も発生しないので、極論、無限にエネルギーを産み出せます。

有機的代謝の特徴は「弱い力を持続的に出せる」という所です。

なので
・長続きはしないけど、強い力が出せる無機的代謝=短距離走
・強い力は出せないけど、より長く、多くのエネルギーを産み出せる有機的代謝=長距離走
という構図になります。

「5000m」のエネルギー代謝について

では、「5000m」はどちらになるかと言うと、エネルギーの大半が「有機的代謝」になります。

つまり長距離の区分である「強い力は出ない長続きする代謝機能」が「5000m」の基本となるわけです。

もちろん、マラソンも5000mと同じく「有機的代謝」になりますので、「5000mの強化=マラソンのパフォーマンス向上」に繋がります。

有機的代謝は、長距離走など低強度の運動を持続的に行う代謝構造で、酸素を使ってエネルギーを産み出します。
体の中には、エネルギーを生成している「ミトコンドリア」という器官があり、これが酸素をつかってエネルギーを産み出しています。

このミトコンドリアを活性化させることが、有機的代謝を向上させることにつながり、「5000m」の強化に繋がります。

マラソンも、もちろん有機的代謝なので、こういった観点でも、5000mはマラソンと親和性が高いと言えます。

少し難しい話と感じたかもしれません。
そんな方は、「5000mもマラソンも、酸素をたくさん必要とするという観点では同系列だ」と覚えていただけばと思います。

前提の説明が長くなりましたが、4月から「5000m」のトレーニングを強化していくということは、9月以降のマラソン大会シーズンに、間違いなくつながるということをお判りいただけたのではないでしょうか。

「5000m」を強化するメニュー紹介

ではここからは、「どういったメニューをするべきか」をお話しします。

お察しの良い方ならわかるかもしれませんが、基本はマラソンのメニューとそこまで変わりません。
前述のとおり、基礎に関しては同じ系統だからです。

なので、マラソン大会対策と特異性を考慮したトレーニングは入れる必要がありますが、基礎のトレーニングにあたる部分はマラソンと大差はないということですね。

走る頻度

まず、「走る頻度」ですが、マラソンと同様、多い方がいいです。

基本は4日以上。
可能なら6日走れるといいですね。

走る頻度が多ければ多いほど、回復力は上がりますし、総走行距離が伸びて、筋持久力や有機的代謝の改善に繋がります。

総走行距離

そして、総走行距離も同様の理由で、多い方がいいでしょう。

ただし、マラソン大会の時期に行う30km走や40km走のような、いわゆる「マラソンに特化したトレーニング」は、不要であると思います。

30kmを超えるようなトレーニングは、あくまでマラソンの特異性を考慮したトレーニングとなります。

ジョグ

ジョグ、いわゆる低強度走や中強度走ですね。

こちらもマラソン大会の時期と同様に行いましょう。
有機的代謝を高めていく上では、必要なトレーニングです。

特に中強度走。
いわゆる「速めのジョギング」というところは積極的に取り入れましょう。

速めのジョギングは、イメージは「楽に体を動かす中での最大スピード」です。
あくまで楽に動かすというのが大前提ですので、この動きに慣れると自然とランニングエコノミーが向上します。

ゆっくりのジョギングだけではなく、この「速めでジョギングをする」のが非常に重要と言えます。

ポイント練習

高強度の練習、いわばポイント練習です。

ここに関しては、400mや1000mといったインターバルをレ―スペースと同等、もしくは、少し速めのペースで行います。
そしてペース走は、レ―スペースよりもやや遅めで行いましょう。

レースが近づいてきたら特異的なトレーニングを行います。

例えば、
・3000m+1000m+1000m
・1000m+3000m+1000m
・1000m×2本+3000m+1000m
など、5000mを分割したトレーニングを入れていきましょう。

ただ、あくまでマラソン大会対策なので、基礎のトレーニング構築期は、基本的なインターバルやペース走を行いましょう。

1週間のメニュー例

これらを基に、「5000m25分を切りたい方」のメニューを組むとすると、このような形です。

月:リカバリー
火:60分ジョギング(6分00秒/km~6分30秒/km)
水:400m×12本(114秒(4分45秒/km) レスト60秒)
木:リカバリージョグ
金:45分ジョギング(5分40秒/km~6分00秒/km)
土:10kmペース走(5分15秒/km)
日:15-20km(6分00秒/km)

あくまで一例となりますのでご参考までに。

「5000m25分」は「1km5分」が平均ペースとなります。
水曜日のみ、レ―スペースよりも速く走る練習となりますが、基本は有機的代謝になっています。
酸素をたくさん取り込むトレーニングが大切なので、レ―スペースより遅くてもいいので、しっかり酸素を取り込める強度で行うようにしてきましょう。

そして、レースが近づいてくれば、先ほどお伝えした特異性のトレーニングを行っていくようにしてきます。

いかがでしょう。
基本的な考えは「マラソンと変わらない」ということは頭に入れておいてくださいね。

あとはこの時期にもレースを入れていくことが重要ですので、怖がらずにチャレンジしていく!
ここも重要ですね。

「5000m」は短いですが、瞬間的なきつさはマジでやばい。
決して楽なレースではありませんが、その分上手く走れた時はマラソンとはまた違った達成感があります。

これを機に、是非ともチャレンジしてみてくださいね!

監修者コメント

高山敦史

皆さん、いかがだったでしょうか?
僕のYouTubeチャンネルでも解説しておりますので、ぜひご覧ください!

本記事のまとめ

まとめ
  • 「5000m」の強化は「スピード持久力」の強化に繋がる!
  • 「5000m」の強化は「マラソンのパフォーマンス」向上に繋がる!
  • 「5000m」のトレーニングの基本は「マラソン」のトレーニングと同じ。
    「有機的代謝」になるよう、酸素を取り込める強度で行おう!

出典

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