トレーニング効果が変わる?!ランナーがしがちな、やって欲しくない練習方法

この記事を監修したのは

高山敦史

 パーソナルトレーナー
インフルエンサー

略歴

某大手スポーツクラブでパーソナルトレーニングの顧客数3年連続1位。
その後、独立。ランナー専門のパーソナルトレーナーとして活動し、【YouTube】タカヤマラソン チャンネルにてランニングメソッドを配信中。チャンネル登録者数9.54万人(2024年5月1日時点)

資格

JATI認定トレーニング指導者

URL

https://takayamarathon.com/profile/

監修者コメント

高山敦史

今回は「練習で行ってほしくないこと3選」がテーマです。

さて、今回は「練習でやってほしくないこと」です。
「これやったら練習の効果下がり過ぎる」というものですね。

今回お伝えする内容、個人的には非常に大切で、逆に言えば、これをしっかり意識して行うことができれば、同じ内容の練習でも、「効果を高める」ことができます。

どれも難しいものではなく、「少しの意識」で改善することができる内容です。

お伝えする3つの内容に心当たりがある場合、ぜひ一緒に改善していきましょう!

その練習ダメ!①:ペースが遅すぎる

まず1つ目、「ペースが遅すぎる」です。

これは主にジョギングやロング走で見られます。
目標とするレ―スペースよりも、「1分半や2分遅いペース」でジョギングをしている、つまり「イージーランが遅すぎる」ケースです。

確かにジョギングの定義というのは、「お隣の人と話しながら行える強度」です。

なので、遅いペースでもジョギングとしては成り立っているのですが、トレーニング効果を求めるのであれば、ペースの遅いジョギングというのは、「トレーニングとして成り立たない」と思いましょう。

遅いペースでも、効果が出せるのであれば、極論1km8分や9分でも、「足づくり」や「心肺強化」に繋がることになります。
「ウォーキングでもいい」という意見も出てきそうですよね。

心肺機能の強化や、代謝機能の向上、下半身の筋持久力を高めていくには、「一定のペース」は必要不可欠です。

「そのペースはどのくらい?」となると、低-中強度走です。

低-中強度走については、こちらのコラムで詳しく説明しています。
全ての練習の基礎となるのが、この練習なので、まだご覧になられていない方は、是非ご覧ください。

ざっくり言うと、
・低強度走は、レ―スペースから「1分マイナス」程度。体感的に「楽である」。
・中強度走は、レースペースから「30秒マイナス」前後。体感的には「楽ではないが、きつくもない」。
を強度の目安とします。

この強度で行うと、「筋持久力」や、「代謝能力」は向上していきます。

ロング走などの、「距離を走る」練習も同様です。

基本的には、低強度走や中強度走のロング練習をお勧めしています。
今の時期のロング走に関しては、こちらのコラムで解説していますので、よければご覧ください。

ただ、ロング走の導入に関しては、「長い距離に慣れる」という意味でLSDから始めるのは効果的です。

LSDの効果や注意点などに関して、こちらのコラムで解説しています。
まだご覧になられていない方は、是非ご覧ください。

しかし、「LSDだけしかしない」では効果は望めないので、シーズンに向けては、ロング走も必ずペースを「低-中強度」で行えるようにしましょう。

逆に、ハイペースのロング走、例えば、レ―スペースでの30km走は強度が高すぎるので、「する必要がない」こともお伝えしておきます。

その練習ダメ!②:練習で止まる

2つ目は「練習で止まる」です。

皆さんは、ジョギングや練習途中で、「足を止めてしまうこと」はありますでしょうか?

この「足を止めてしまう」アクションは、残念ながらトレーニング効果が落ちてしまいます。

特に信号待ちなどで、何度も足を止めてしまうと、心拍数も落ち着き、筋の疲労も回復します。
心肺も筋肉も、「ある程度の負荷を継続的に与えて、疲労を蓄積させる」ことによって、強くなっていきます。

低強度走は、「低い負荷を継続的に与え続ける」ことでトレーニングの効果を得られます。

これを1kmや2kmに1回、信号待ちのようなケースで止まってしまうと、そもそも低強度の運動なので、心肺や筋肉は回復し、適切なトレーニング効果が得られなくなります。

マラソンの本質は、「止まらずに走り続けること」です。

特にジョギングやロング走などの、低強度トレーニングの場合、信号待ちを避けられるコースを、必ず見つけましょう。

中には、「写真を撮りながら走りたい」という方もいらっしゃいます。
気持ちは非常にわかりますが、「トレーニング」と「ファンラン」に分けて、「途中で何度も止まる」のはファンラン、「止まらずに走り続ける」のはトレーニング、というように考えてみるのもいいですね。

「じゃあ給水はどうするの?」という質問もよくいただきます。
特にこれからの時期は、暑くなってきますよね。

給水は「優先」で行いましょう。

ただし、給水が休憩にならないようにしましょう。
給水はあくまで、水分をさっと摂取して、すぐに走り始めます。

給水して、そのままストレッチして立ち止まる、ということにならないようにしてください。

トイレも同様ですね。
給水もトイレも、終わったらすぐに走り出します。

インターバル走も、理想はジョギングつなぎです。

「止まらずに練習を継続させる」ことが、非常に重要です。

ジョギングでつなぐレストには「走りながら心肺や筋疲労を回復させる」という大切な目的があります。
これに慣れると、レースできつくなったら、少しペースを落として、「走りながら回復させる」ということができます。

なので、ジョギングも高強度の練習も、基本的な考え方は「止まらないことが理想」、ということを意識して練習に取り組んでくださいね。

その練習ダメ!③:練習の最後に飛ばす

3つ目は「練習の最後に飛ばす」です。
これは結構やってしまう方が多い印象です。

高強度の練習をやっていると、よく見られますね。
最後の1kmだけ飛ばしたり、ラストの1本だけスピードを上げたり。

練習会で競い合ったり、最後は出し切りたい。
こういった背景から、最後の1kmを思い切り飛ばしたり、最後の1本を出し切ってしまったりする方は非常に多いです。

色々な意見はありますが、僕もいろんな方から意見を聞いた結果、基本的に「最後に飛ばす」ことは良くありません。

まず、「最後に飛ばす」というと、一気に10秒/km 以上速くなる方が多いです。

こういったペースの上げ方をしてしまうと、まず動きに「力み」が出てしまいます。
「力み」が出ると、最後の1kmくらいは確かに飛ばすことは可能ですが、走り終わったらすぐに立ち止まって、休憩をするくらい追い込んでしまいますよね。

果たして、「マラソンにそこまでの追い込みは必要なのか?」という問いについては、僕は「NO」を突きつけます。

マラソンや長距離というのは、基本的には「最後まで余裕をもってゴールをする」という種目です。
なので、練習も「最後まで余裕をもって終わる」べきです。

また、最後に飛ばして練習を出し切ることが習慣になってしまうと、これも怪我に繋がる危険な行為です。

「最後に余裕をもって終わる」ことで、翌日にも疲労を持ち越さず、練習を継続させることに繋がります。
つまり、追い込み過ぎない練習というのは、「練習を効率よく継続させる」ことに繋がります。

練習で大切なことは、「継続」です。

継続ができない練習は、効果も求めることはできません。
「瞬間的にスピードを上げる」、「最後の1kmだけ飛ばす」といっても、どんな方でも5分程度で終わってしまいます。

これが、「ラストスパートの練習で」と言うならわかりますが、そういうわけではなく、「トレーニング効果を最大化させていきたい」と言うのであれば、練習を継続させるために、疲労を残さないよう、「最後は腹八分目で終わる」のが良いでしょう。

・インターバルであれば、最後の1本が終わった後に、ジョギングをする余裕を持てるぐらい。
・ペース走であれば、最後の1kmは、飛ばさずに余裕をもって終われるように、設定ペース前後で走り切る。
こういったところを意識してみましょう。


確かに「やり切った!」という感覚は、最後に飛ばした方があるかもしれませんが、それでも十分、身体に対する負荷は残ります。

ただし、ジョギングなど「低強度トレーニング」の、最後の1kmをスピードを上げるのは非常に効果的です。

神経系への刺激になり、1kmだけなので、負荷もそこまであがりません。
ジョギングの最後の1kmのペースを上げる、というのは「あり寄りのあり」です。

・高強度の練習の場合は、追い込み過ぎない
・低強度の練習の場合は、切り替えOK

という風に覚えておきましょう。

いかがでしょう。

細かく些細な内容ですが、これらのことを意識して練習に取り組むことで、質の高い練習に近づけることができます。
また怪我の予防にもつながりますので、試してみてくださいね。

監修者コメント

高山敦史

皆さん、いかがだったでしょうか?
僕のYouTubeチャンネルでも解説しておりますので、ぜひご覧ください!

本記事のまとめ

まとめ
  • ジョギングやロング走は「低-中強度」で行うこと!
  • 練習中は、足を止めずに、「練習を継続」すること!
  • 練習の最後は飛ばさず、最後まで「余裕をもって」終わること!

出典

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