【ランナー必見】ジョグ用ランニングシューズを選ぶ3つのポイント

この記事を監修したのは

高山敦史

 パーソナルトレーナー
インフルエンサー

略歴

某大手スポーツクラブでパーソナルトレーニングの顧客数3年連続1位。
その後、独立。ランナー専門のパーソナルトレーナーとして活動し、【YouTube】タカヤマラソン チャンネルにてランニングメソッドを配信中。チャンネル登録者数9.25万人(2024年2月22日時点)

資格

JATI認定トレーニング指導者

URL

https://takayamarathon.com/profile/

監修者コメント

高山敦史

今回は「ジョグシューズの選び方」がテーマです。

ジョグシューズはどういったものを選べばいいのか。
今はシューズの種類がたくさんあり、そしてランニングシューズに参入するブランドも増えました。

たくさんのシューズが増えて、色々なタイプの方に適切なシューズが出てきた一方、「どれを選べばいいかもうわからない…」という方がほとんどではないかと思います。

面白い例があり、あるジャム屋さんは 3つの味のジャムを取り扱っており、 3つとも大人気で、いつもすぐに売り切れになっていました。
ジャム屋さんは「種類を多くすればもっと売れるはず」と思い、ジャムの種類をなんと 20種類に増やしました。
ところが、その日からジャムは最初からあった 3種類を含めて、売れ行きが悪くなったそうです。

つまり、種類が増えすぎると、「いったいどれを買えばいいかわからない。」と消費者的は考えてしまいますよね。

そして、「まあ今度でいっか」となって結局は買わなくなってしまう。
これが、先程の例で売れ行きが悪くなった理由です。

これは「決定回避の法則」という、選択肢が多くなると「より良いものを選びたい。」「失敗したくない。」という心理が働いてしまいます。
もちろん、購買意欲などによっては例外も存在します。

ランニングYouTuberのチャンネルも増えましたので、同じことですかね(笑)
僕もいつまでも選んでいただけるように頑張らないといけません。

そして、シューズは今や価格が高騰しており、絶対に失敗したくありません。
なので「決定回避の法則」がより強く働きます。

危険なのが、そうこうしている間にシューズが摩耗してしまい、怪我に繋がることです。

多くのケガはオーバーワークや走技術によるものです。

しかし、シューズはそれらをアシストしてくれるものなので、適切に選んでほしいですね。
そして練習の大部分はジョグなので、レースシューズやエリートシューズだけではなく、ジョグのシューズもしっかりと選んでほしいです。

前置きがかなり長くなりましたが、ジョグシューズの選び方、スタート(笑)

トレーニングの目的と特徴

まずジョギングの種類ですが、いろんな目的でジョギングは行います。

例えば、
・練習と練習を繋ぐつなぎのジョギング
・回復を促すリカバリージョギング
・長い距離を走るロングジョグ
・おしゃべりジョグ
・お散歩ジョグ
などなど

基礎トレーニングと応用トレーニングについて

基礎トレーニングの目的

色々な目的のジョギングがありますが、ジョギングは基礎トレーニングに位置します。
自分の基礎体力や基礎筋力のベースを作るトレーニングです。

簡単に言うと、自分の走りの基礎となる部分を強化することが目的です。

応用トレーニングの目的

これと反対の位置にあるのが、応用トレーニング、つまり、高強度の練習です。
インターバル走やハイペース走ですね。

これは基礎トレーニングだけでは強化できない部分、レ―スペースよりも速く走る感覚であったり、代表的なものがVO2MAXの強化やLT値やOBLAの改善、つまりスピード持久力の目安となる数値を強化することが目的です。

それぞれの練習の特徴

練習の特徴を簡単にいうと、
・設定にこだわらないのが基礎トレーニング
・設定を厳格に守るのが応用トレーニング
です。

基礎トレーニングの練習の特徴

ジョギングで設定を決めている方は少ないでしょう。
また、決めていてもせいぜい「何分くらい」という目安程度です。

つまり自分の感覚を養ったり、自分の調子を推し量るのが基礎トレーニングになります。

応用トレーニングの練習の特徴

逆にインターバル走やハイペース走の応用トレーニングは、設定に厳格に取り組みます。
トレーニングの設定ペースをクリアすることが大切です。

VO2やLT値改善のタイムを決めて、そのタイムで走りきることで、トレーニングの効果を感じることができます。
レ―スペースを想定することも多いので、設定は外したくありません。

なので、自分が決めた設定ペースに、より厳格に取り組む必要があります。

たまに聞く、「どちらの練習が大事か?」という論争ですが、目的や得られる効果、もっというと練習の種類が全く違うという事です。

なので「どちらが大事」などはなく、「練習のバランスを考えて取り組むことが重要」です。

トレーニングに使うシューズは?

ここでようやくシューズのお話。

応用トレーニングに使うシューズは?

インターバル走やペース走、つまり高強度の練習というのは、設定をクリアすることが非常に重要と言えます。
なので、シューズの力を使いながら、ハイペースでこなしていくのは間違いではありません。

むしろ、本番を想定するので自分の勝負シューズや、それに近いシューズで練習をした方がいいでしょう。
もちろん、シューズの助力を使わないで行うことも間違いではありません。

基礎トレーニングに使うシューズは?

ではジョグなどの基礎練習、つまりタイムにはこだわらず自分の感覚や機能を養う場面ではどうかと言うと、全くの逆です。

最低限の機能を備えたシューズを使用するのがいいと言えます。
つまり助力があまりないシューズですね。

先ほどもお伝えしましたが、基礎練習はタイムにこだわるわけではありません。
自分の脚力や心肺機能の基礎能力を鍛えるために行います。
まあ、全くこだわらないわけではないですし、レースが近いと、ある程度の速さでロング走を行うこともあります。

カーボンや高反発のミッドソールが搭載されたシューズを使うという事は、シューズの力を借りて速く走っています。
「自分の力」+「α」で走っていると思ってください。

そうなると、基礎練習の目的とずれてしまうのです。
ジョグの本来の目的を遂行するならば、「自分の脚で走れるシューズを選ぶのがベスト」になります。

ジョグに最適なシューズを選ぶ3つのポイント

では、そういった特徴を持つのはどのようなシューズなのか?

それは、今の流行りのシューズと「反対」のシューズを選ぶとよいです。

つまり、
①カーボンや反発素材が入っていない
②薄底
③ドロップ差や前足部のそり上がりがない
シューズを選びます。

説明不要と思いますが、簡単に解説しますね。

①カーボンや反発素材が入っていない

カーボンや反発素材のシューズを使用すると、シューズからの力を大いに利用することができるので、自分の力を使って走らなくなります。

高強度の練習やレースは、タイムをクリアすることが重要なので、シューズの助力を使うのは大いに結構ですが、ジョグではこういった機能は不要と言えます。

またジョギングでも高反発シューズを使うと、脚へのダメージが少なからず溜まります。
ジョグでも自然とペースが上がってしまうのが原因です。

自分の脚を守り、鍛えるためにも、ジョグシューズは低反発を選びましょう。

②薄底

ミッドソールが分厚い厚底のシューズは、一見足を守ってくれるように思います。

実は僕もそう思っていましたが、過去の論文では、そういったデータはないようです。
そして、ナイキからも「厚底のシューズはけがの予防にはならない」という発表がありました。

これはにわかには信じられないですし、僕もびっくりしました。

理由は様々で、その中の1つだけご紹介するなら、「底を厚くした程度では、ランニングのような高強度の衝撃を吸収できない」という意見がありました。

そして、もう1つデータを紹介しますが、同じ地域、同じ人種で厚底と薄底のシューズを履き比べた研究では、「厚底を履いた人が圧倒的に下肢のケガが多かった」という衝撃のデータです。

足の裏、足底というのはセンサー、つまり感覚が非常に過敏です。
足裏がくすぐったいのがその証拠です。

厚底を履き過ぎると、そのセンサーとしての機能が失われるということも、見過ごすことができません。

それはつまり、足裏の感覚が弱くなり、「着地の感覚が掴みづらくなる」ということにもなります。

なので、過度に厚い底のシューズを履いてジョグなどをしてしまうと、守られているという思い込みで、足を雑に扱ってしまいます。

足を丁寧に使うために薄い底のシューズを活用するようにしましょう。

③ドロップ差や前足部のそり上がりがない

ドロップ差は「かかとの高さ」と「つま先の高さ」の差ですね。
この差が大きいと、体重を前にかけやすい、つまり、重心移動がしやすくなります。

そして、つま先がせりあがっていればいるほど、シューズは転がりやすい、つまり、体重移動もシューズのおかげでやりやすくなります。

こういった体重移動も、シューズに頼らず、自分の力で行うようにしたいです。

足関節、つまり足首が上手く働けば、体重移動というのはスムーズにできますが、これもシューズに頼りすぎると、足首を動かす「筋力」や「可動域」が低下し、足底やアキレス腱のケガに繋がってしまいます。

足首の可動域を上げ、そして、筋力を低下させずに、足首を機能的に使っていくためにも、ジョギングではドロップ差や前足部、つま先のせり上がりができるだけ「ない」シューズを選ぶようにしましょう。

如何でしょう。

ジョギングは、筋力や心肺機能など、走るための基礎的な能力を身に着けるには非常に大切なトレーニングです。

「ジョギングを制するものは、マラソンを制する」といっても過言ではありません。

そのためのシューズは、特に重要なので、適当に選ぶのではなく、皆様のジョギングを助けてくれるシューズを選ぶようにしましょう!

監修者コメント

高山敦史

皆さん、いかがだったでしょうか?
僕のYouTubeチャンネルでも解説しておりますので、ぜひご覧ください!

本記事のまとめ

まとめ
  • ジョギングは基礎部分を強化し、自分の感覚を養ったり、自分の調子を推し量るトレーニングである!
  • ジョギングには、特別な機能がついていない、「自分の脚」で走れるシューズが必要!
  • ジョギングシューズは①カーボンや反発素材が入っていない ②薄底で ③ドロップ差や前足部のそり上がりがないシューズを選ぼう!

出典

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