スポーツの怪我!野球をやっていると起こりやすい怪我について

この記事を監修したのは

柏嶋匡智

かやしま鍼灸整骨院 院長
鍼灸師 柔道整復師

略歴

神戸弘陵学園高等学校・スポーツトレーナー学校卒業。整形外科勤務2年。接骨院勤務13年。その後、かやしま鍼灸整骨院を開業。

資格

鍼灸師、柔道整復師、ノルディックウォーキング指導員、アスリートフードマイスター3級

URL

https://kayashima-tatsujin.com/

監修者コメント

柏嶋匡智

皆さん、こんにちは!
急ではありますが、WBC2023は観られましたか?
大谷選手をはじめとする日本代表の活躍はとても印象的なものでしたね。
そこで、今回は野球の怪我について解説していきます!

はじめに

野球をされていて、肩が痛いと思った経験はありませんか?
「もしかして、何か肩に問題があるのでは」と不安な気持ちになりますよね。
今回は野球をされる方に多い怪我についてお話させて頂きます。
特に野球をやっている人は必見ですよ!
肩の状態のセルフチェックやその予防のために知っておいてもらいたい肩の解剖と症状について説明しますので、良かったら参考にして下さいね。

肩の怪我に関して

まずは、肩の怪我について説明していきます。
まず、怪我しやすい箇所として回旋筋腱板が挙げられます。
回旋筋腱板とは、肩甲骨と上腕骨をつないでいる4つの筋肉の腱で、肩峰下滑液包と共に肩関節を動かすときに安定させる役割があります。
※ここで言う4つの筋肉とは、棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋のこと
※肩峰下滑液包とは、肩峰の下にある腱板を保護するために滑液の入った袋のこと

そして、回旋筋腱板は、下記が原因となり損傷する可能性がございます。
直達外力‥転倒などで肩を直接強打して痛める場合
介達外力‥クロールなど肩を回す動きや投球などにより肩関節がねじれて牽引が働いて痛める場合

※中高年の場合は、腱板の老化により僅かな外力で損傷する場合もあります。

怪我の代表例は下記の通りです。
・腱板損傷
・腱板断裂
・肩峰下滑液包炎

上記のような怪我は主に棘上筋という筋肉を傷めることが多いです。
また、これらの症状は大きく腫れることが少ないので注意が必要です。
鍼灸接骨院では徒手検査やエコー検査、クリニックではレントゲンやCT検査が必要です。

他に関連してくる病気としては、肩関節周囲炎(いわゆる五十肩)が考えられます。
また、夜間の強い痛みがある場合は石灰沈着性腱板炎なども疑います。

今回は代表的なものを紹介しましたが、他にも色々と考えられますので鑑別が必要です。
特に損傷がひどい場合は、強い炎症が起きていることが考えられるので、アイシングをお勧めします。
しかし、症状が緩和しない場合は、必ず近くの病院で検査をするようにして下さいね。
痛みを長引かさず競技に早く復帰するためにも、早期に適切な処置を行うことは大切です。

野球をされる方に多い怪我に関して

特に怪我しやすい肩について、先に説明させて頂きました。
続いて、ここでは野球をされている方に起きやすい代表的な怪我について説明させて頂きます。

インピンジメント症候群

インピンジメント症候群とは、回旋筋腱板が断裂などのひどい損傷ではないが、繰り返しの肩の運動、投球、水泳により摩耗状態になった運動痛です。
ただし、腱板損傷とセットになることも多いとされています。
肩を外転させるとある範囲だけに痛みを生じる(ペインフルアークサイン)が特徴です。
肩峰下滑液包が腫れていますので目視で確認できます。

インピンジメント症候群は外転、外旋時の痛みが特徴になります。
※肩関節内旋時の痛みはインピンジメント症候群ではなく、上腕二頭筋長頭腱の痛みになりますので確認が必要です。

インピンジメント症候群は摩耗状態ですので、アイシングやテーピングといった処置をお勧めします。
また、インピンジメント症候群の原因として、肩関節の使いすぎによって起こっていることが考えられるので、普段行っている練習内容の工夫や見直し、日ごろのメンテナンスが必要です。
インピンジメント症候群、上腕二頭筋長頭腱炎との鑑別を行い早期回復目指します。

上腕二頭筋長頭腱の損傷

テニス、バドミントンなどのラケット競技、野球、体操などの肩の外転が強制される運動によって腱の摩耗、腱を抑えている靱帯が損傷し起こります。特徴的な症状は運動痛と圧痛です。

元々肩関節が柔らかく異常にゆるい場合があります。これを動揺肩関節と言います。
特に原因がなくても、肩がだるい、鈍痛、亜脱臼など様々な弊害を生じることがあります。今現在色々なところで肩関節を柔らかくするストレッチ、肩甲骨を動かして・・・などありますが自分にとって良いのか、悪いのか判断が必要です。肩関節~肘~手関節まで痛める事があります。
もし、肩がゆるいと感じる場合は専門医と相談、指導者と相談し治療、施術を受けていただく事をお勧めします。

野球肩

野球の投球動作で起こる肩のケガの事をいいます。
特に成長期の身体は過度に使いすぎると故障しやすいとされています。そのため、無理をし過ぎずに自分のコンディション状態を確認し、ベストの状態をキープすることが大事です。無理や我慢をしないことがケガへの予防に繋がります。
また、野球肩は、骨端線障害・骨棘形成・リトルリーグショルダーといった様々な言い方の症状があります。ストレスを与え続けると脆弱な部分に歪が起こりやすいとされています。病変の進行に伴って痛みが強くなるので注意が必要です。
成人の方の野球肩の場合は、腱板損傷などが考えられ、年齢的な退行変性があります。進行すると亀裂、断裂を起こします。
スポーツにケガは付きものとは言いますが、予防できるケガは予防した方が絶対良いです!
そのためにも、身体のコンディションに合わせて、適切なトレーニングをすることをお勧めします!

野球肘

野球肩に続き、野球肘も多い症例です。
特に成長期の子供に多い代表的なスポーツ障害です。肘の内側の痛み、外側の痛み両方あります。
大人では肘の内側に痛みを感じることが多く、アイシングなど行って安静にしていると痛みが軽減することが多いです。
自己判断でストレッチなどをせずに鍼灸接骨院、整形外科などでリハビリを受けてスポーツ復帰することをお勧めします。
子供の場合、内側痛は靱帯、筋肉の炎症が多く、大人、子供共通で上腕骨内側上顆炎、内側側副靱帯炎(大人は損傷の場合あり)と言う事になりますので、我慢せずに早めの処置を心掛けてください。
特に肘の外側に痛みを訴えた場合は、離断性骨軟骨炎の可能性を疑います。※離断性骨軟骨炎は子供に起こりやすいとされています。
子供は、骨や軟骨が脆弱なため、過度なストレスがかかると骨の一部が壊死し、軟骨が剥がれ落ちる可能性があります。症状著明な野球肘になると、靱帯損傷、骨棘形成、骨端線障害などが考えられますので専門病院でのしっかりした検査が必要になってきます。繰り返し使いすぎ(オーバーユース)による肘の障害は、手術が必要となることもあります。無理をしすぎずに練習の調整などを指導者と相談の上、行うようにしてくださいね。

本記事のまとめ

まとめ
  • 肩の怪我しやすい箇所として回旋筋腱板が挙げられる
    直達外力と介達外力によって起こりうる
  • 肩を外転させるとある範囲だけに痛みを生じる(ペインフルアークサイン)が特徴のインピンジメント症候群
  • 野球をされている方は、特に上腕二頭筋長頭腱の損傷・野球肩・野球肘が代表的な怪我として挙げられる

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